多重人格者の異世界転生

くろこん

第1話


第0章 人物紹介



松岡輝赤(マツオカキセキ]


16歳


愛称キセキ、この本編の主人公にして多重人格者...と言ってもこの作品はフィクションのため都合の悪い症状は全て取り払われている。


残念ながら100部を超えても本名が出てくるのは数えるほどしかないので、読者が主人公の本名を覚えられるかどうかは微妙である(特に重要でもない)


全員で5人の人格が存在する。


レッド


松岡輝赤の人格の1人で、この体の主な人格。とは言っても一番出番が多い...訳でもなく、ただのいい人なので格好がつかない場面が多い。顔は通常、髪も下がり、比較的優しい表情を見せることが多い。


武器は片手剣


グリーン

人格きっての秀才...だが人格の中で記憶などは共有できてしまうので、実質的に能力は同じである。


本人曰く「発想の違い」らしい。


性格はワガママで乱暴、良くも悪くも男女平等だが、暴力になると途端に弱くなる...ということが多い。


最終的に1対1で誰かと戦ったら、恐らく赤子にも負ける超超不運体質。ただし戦闘に限る


彼になると髪が若干トゲトゲしくなり、目つきが鋭くなる


武器は徒手空拳


イエロー

人格は好々爺、「〜ですな」などが特徴。精神年齢が1人だけ70代ぐらいなのと、どこから仕入れて来たわからない様々な武術への精通っぷりが特徴で、潜入捜査などもお手の物。


スタミナやパワーなどは他人格に一歩劣る、いや、体同じだろと思うが恐らく精神的なもの。


武器はナイフ系のものを扱う。


普段よりも遥かに穏やかな顔つきになるが、非常時に見せる顔の怖さは人格最恐


ホワイト

パワー系オネェ、本編に出るのが人格史上最も遅い。


髪が若干パーマになる。超クルクルヘァ〜


武器はハンマー系。


ピンク

精神年齢3歳児。


しかも女の子、しまつに負えない。


見た目が変更されるにつれて目が大きくなる、髪がサラサラヘアーになる。


使用武器は杖。どのような効果なのかは不明。


[異世界で出会う人々]


コレット


今作の1人目のヒロイン、赤毛が特徴の16歳


アストルフ家の3女、おてんばな性格が幸いして事件に巻き込まれてしまう。


この世界では希少な魔法の使い手である。


カミーユ


アストルフ家に使える騎士。20代後半〜30代前半という若さで騎士隊の隊長についている有望株。


顔は普通。


アストルフ伯爵


ケイアポリス王国伯爵位、王国では経理担当、なお非常時に限る。戦闘などの有事を全て親戚のモードレッドに任せて来たため、荒事にとても弱い。


16歳の娘がいるが、それにも関わらず若い。異世界始まって以来のモンスターと作者に恐れられている。


身長180センチの偉丈夫ではあるが、それを支える体がない。つまり典型的モヤシ


モードレッド

謎の男

山の神


今は不明、本編で確認してみて下さい。


それでは多重人格者の異世界転移、始まります!



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魔法が発展を遂げた異世界、アヴァロム。


剣と魔法が地上を席巻し、大きく4つに別れた国がせめぎ合うこの世界。そんな中に1人、また新しい若者がこの世界に来ようとしていた...


1人の女性の願いによってこの世界に来た若者の波紋は、いずれ周りを抱き込み大きな渦へと姿を変える!



ーーーー


ーーーーーー


ーーーーーーーー


ーーーーーーーーーー!!


男は、覚醒した。この男、名をクロという。松岡輝赤の人格の1人にして最強格。しかしそんなクロは今、自らの記憶の曖昧さに混迷していた。


おかしいな、確か私の最後の記憶は、信号無視の車にぶつかり、意識を失ったはずでは?それが何故、何もない草原で1人立ち尽くしているのだろうか。


そう思いクロは身の回りの確認をしだした。川の鏡で服装は記憶が残っている時と同じだ、スニーカーとズボン、上は赤い上着を羽織っている。日本人の平均的な平坦な顔、優しげな瞳、と、ショートヘアは健在だ。少し下がっていた髪を、クロ...そう自称する男はかきあげた。髪は前髪から全て後ろに持ち上がるオールバックに近い髪型となり、それに落ち着いた。


クロのはこれ髪型がお気に入りなのだ。


バックにはいつも通り勉強道具などが入っている。あとはチョコを始めとしたお菓子類である、あ、これ用意したの絶対ピンクだろ。お菓子ばかりが入っているぞ。


自分の体も確認してみた、車に跳ねられたと言うのに、血も何もついていない。全くの無傷である。明らかに異常事態だ。普通あのスピードの車に跳ねられて無傷で、しかも草原で寝転がってるなど可笑しいとしか思えない。


「ここは...一体どこなんだ?」


1人自問自答するも、答えはどこからも返ってこない。


しかし、自問自答している場合ではない。私もいつまで意識を保っていられるかわからないからだ。


目覚めるまでに主の安全ぐらいは確保しておかねばな。そう、クロは意識を切り替えた。街へ向かおうと、草原を真っ直ぐに歩く。


人格最強、クロの冒険が始まった。



◇◇◇◇



はて、東京にこんな大きな草原なんてあったか?


その草原は、都会育ちの私にはとても見慣れないようなほど綺麗な草原であった。綺麗に生い茂った緑、そして、そこに生存している虫でさえ、子供の頃外で遊ぶことが多かった私でさえ見慣れないものだった。


というより、全く見たことがないのだ。もしかしたら新種なのかもしれないな。捕まえたい、とそう思ったが、がうるさいだろうな、と感じて諦める。せっかくの新種なのに、もったいない。


この虫たちも、後々嫌になる程見る羽目になるのだが、クロはまだ、そのことを知らない。


てか、虫に刺されそうになっていたのでクロは手刀のみでその虫を真っ二つに切断。斬った虫は、斬られたという事実に気付かず、当分蠢いていたが。


虫は嫌いなんだ! 見た目グロいし! 気持ち悪いし




草原をまっすぐ突っ切って行く途中で人の声が聞こえたので、そちらの方に向かって歩くと、子供達が複数人遊んでいる声が聞こえた。


私は子供の1人に話を聞く、


『すまない、ここは何というところかな?』


『ここは「セリル」という村だよ』


うーん、知らん!なんだその村の名前は!ってかもはや漢字とかじゃないんだな。


ここ、日本じゃ無いだろ、日本じゃ無いならなんで言語が通じるんだ?謎だらけだ。


『すまない、ここがどのようなところが教えて貰えるかね、記憶が曖昧でな』


『ここは「ケイアポリス」という国だよ。お兄ちゃん田舎から来たの?国の名前も知らないなんて...旅人かなんか?』


私は適当にその質問に対して返し、バックに偶然あった飴を子供にあげて駄賃がわりにした。


子供は飴に酷く驚いていた。


んな珍しいもんでも無いわ、駅とかで配ってある奴だぞ、それ。


それにしてもおかしい、私の知る常識の限り、そのような都市も国も知らない。


そして車への衝突? それで無事だというのが可笑しいという者だ。


まさか、自分小説で良くある異世界に飛ばされてしまったのではないか?


そう思うと、自然と武者震いがする。


、自分は元いた場所には興味がない。自分の立場としていつも縛られ続け、思うがままに生きるという自分の生き方に反することが多かった。


他のメンバーはどうだろうか、グリーンは頭を抱えそうだな。アイツは本を読んでるだけで十分な男だ。イエローはどうだろう。ピンクは...アイツはどこでも生きていけそうな気がする。


子供達に教えてもらった道をそのまま行けば街に着くはずだ、


あとノートも書いておこう。


このノートは人格がそれぞれ自分の起こったことなどを書いておくノートだ。私はいつも記憶をのぞいているのだが...他の奴らは違うからな...


面倒だが、異常事態だ。やるしかないだろう。


道で倒れているのは少し目立つので、私は道なりから少し外れたところの木の上で休む。


さぁ、次は誰になるのだろうか。そう考えながらも、クロの意識は闇へと包まれていった。







かくして、1人目の人格、クロがこの世界が元の世界とは全く異なるものであると気づいた。


次の人格はグリーン。


彼は叡智に突出した人間だが、その旅路はいかに・・・

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