世界の秘密


地平線まで続いている

草原を

わたしとあなたは歩いていました

一つの風が吹きました

あなたは耳を澄まし

何か興味深いものでも発見したかのように

会話を止め黙りました

同じ場所を並んで歩いている二人の肩に吹いた同じ風

しかしわたしには何も教えてはくれませんでした

あなたが口を開きました

まるで歌うように

「………何かいいね」

わたしは言いました

「何がいいのかよくわからないけれど」

そう付け加えました

あなたは笑って

「そうだね」

と言ったきり

もうそのことには興味を失ってしまったようでした

わたしにはそれが理解、出来ませんでした

あなたは知りませんでした

しかしわたしは知っていたのです

それはこの世界の秘密だと


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