くまちゃん


わたしの

ぬいぐるみは

よくしゃべる

「ぺにすかゆい」

とか

へんなことばかりいう

だから

わたしはおこる

「なんでそんなことゆうの?」

あーあ

こんなことなら

しゃべらないやつのほうが

よかったな

おとうさんは

びーるをのむと

よくたずねる

「なあおまえどうやってしゃべってるんだ?」

って

すると

ぬいぐるみは

ひくいこえでいう

「しらねーですよだんな、じゃあなんでだんなはしゃべれてるんですか?」

おとうさん

だまる

てれびのうえに

おいておいたけど

「みてえみてえ」

って

うるさいから

いまは

てーぶるのうえにすわっている

おかげで

わたしからは

じゃまでみえない

だからつねっちゃう

「いてー!」

わたしはむしして

おかずをたべる

こんな

しゃべるぬいぐるみだけど

きらいなものが

ひとつあって

それは

せんたっきなの

ほうりこまれると

「ああやめてください、おかあさま、ごむたいですから、おねがいします、しろいこなをかけますか、そうですか、かけますか」

なんて

またへんなこという

ふたをしめて

すいっちおんだ

「ぎゃあー」

なかでぐるぐる

そしてだっすい

「ぴぴぴぴぴい」

ままも

わたしも

すこし

かわいそうになっちゃう

ぬいぐるみをとりだす

ちいさくなってて

おもい

それをほす

「ねえねえ、となりのおくさん、これみて、ごうもんだよ、たすけてー」

げらげらわらってる

せっかくつぎからおふろであらってあげようとおもってたのにね


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