第8話 僕と傘と泣いている女の子
雨の中、交差点の歩道でずぶ濡れになって泣いている女の子が居た。
足下には花束が。
女の子の方へ傘を差し出す。でも、雨は傘をすり抜けて女の子の頭上へと降り注ぐ。
あぁ、やっぱりそうか……。
「もう僕のために泣くのはやめて」
でも、女の子には僕の声は届かない。
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