第165話 御きつね様? (17)


 だから俺は落胆してその場に座り込んで……


「ううう……フレイヤ……しっ、死んだのかな……? 」


 と、目を潤ませたよ。


 やっ、やっと……わかりあえて……夫婦らしくなってきたのに……


 それに俺はフレイヤ家のカミさんの事をこんなにも愛していたんだと思ったよ。


 あああ……


 なのに、なのに……


 十二単の妙に不釣り合いな金髪のお姉さん……じゃんなくて!?


 九尾のお狐さま……じゃなくて! (笑)


 玉藻前さんだった……


 相変わらず刹那……


 巨大な九尾のお狐さまが、我が愛しのフレイヤ奥様の居た場所に向けて──相変わらずあの耳まで裂けた大きな口を開いてね。


 なんだか子供の頃に見たような特撮番組の怪獣のシーンみたいに!


『ドォ、オオオオオオオオオオオオン! ドォ、オオオオオオオオオオオオン! ドォ、オオオオオオオオオオオオン!』


 と、魔法弾なのか!? 火炎弾なのか!?


 は俺自身も良くわからないけれど手加減無しに攻撃を繰り返しているよ。


 だからね、俺は悲しい……二人の美女が俺の為に……命を掛けて?


 奪い合いをしているんだよ。(汗!汗!)


 ……ッて、フレイヤ家のカミさんが生きているかだって?


 う~ん、これも又刹那……


「はぁ、あああああああああああああああっ! 地方の田舎神の癖に誰に向かって攻撃をしていいるのじゃぁ、ああああああっ! わらわを誰だと思うているのじゃ、ああああああっ! われわ主神の一人でもある女神フレイヤ神であるぞぉ、おおおおおおっ!」


 と、昨日俺を半殺しにした殺人魔法弾を撃ち返し始めているよ!!

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