第123話 何かしら付いてきました? (55)

「フ、フレイヤさまお願いします、一族の為に命を賭して、忠義を尽くしますから、私を旦那様のお傍に使える事をお許しください」


 するとお蝶が慌てて、何度も土下座をしながら "わらわ" に、嘆願をしてきたのですよ、こんな感じで。それにお蝶自身が "わらわ" に対して憤怒しながら、喧嘩腰でくれば、二度と転生出来ないほど、お蝶の身体を八つ裂きバラバラにしてやるのですが、こうも頭を下げ泣きながら嘆願だれると拍子抜けというか、一応は神でもある "わらわ" を敬っているようですから。『……うむ、可愛い奴め』と、ついついと思い情けを掛けてみようかなと思ってしまいましたよ。


 とななるとですね、『ウム、ドレドレ……』と、思いながら、お蝶の容姿を良く見て確認をしました。


 まあ、美の女神でもある "わらわ" と、迄とはいきませんが。うちの主人が気に入るだけあって、容姿の方も悪くはないし、肢体からだの方も中々のようで、美味しいそう……


『ジィ、ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ……』

「…………」


「フ、フレイヤ?」


「…………」


「フレイヤ──フレイヤ──フレイヤ──!」

『……ん? ハッ!』主人の声がしたような気がします……どうやら、"わらわ" はボォ~ッと、していたようですね。だからうちの主人に慌てて。

「はっ、はい、どうしたのですか、あなた?」

 と、答えると。

「どうしたの? ボォ~ッと、しているけれど。何かあった?」


 するとうちの主人、こんな感じでね。"わらわ" に慌てて声を掛けて来たのですよ。心配した顔をしています。特に此度の件は、主人自身に落ち度があり、"わらわ" に大変に申し訳ないと思っているのでしょう。夫は顔色を変えて、『オドオド』と、しているようですから。


 まあ、取り敢えずは "わらわ" も「別に何もございませんよ」と、『フン!』と、いった感じで鼻息を荒立ててやりましたよ。

 その後はですね、お蝶に対して、「では貴方は、我が一族に加わりたいと申しているのですね?」と、尋ねると。

「はい! そうです! 何でも致します! それにフレイヤに服従しますのでお願いしします! ……先程も述べた通り家の為に、この身を挺して頑張りから末端でも良いのでお加えください……」

 彼女は自分の決意を "わらわ" に述べて来ました。まあ、目は潤んで泣いてはいるようですが、彼女の力強い決意は "わらわ" にも十分過ぎるぐらい伝わりましたから。


「では貴方は、我が一族に加わりたいと申していると言う事は、貴方自身、人を辞めても良いという事ですね?」

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