第121話 何かしら付いてきました? (53)

 もしかすると町長達の勘違い?


 ……では、ないでしょうけれど……あの者達も流石に神でもある "わらわ" にウソをついたりはしないと思います。

 だから取り敢えずは、うちの主人は『先程まで居た?』でも『今は居ない?』と、いうことですから、ハッキリとしない訳で。 "わらわ" も直接現場を見なくて済みますから、その方が『エンエンエン』と、泣かずに済むので助かります……


 う~ん、でもね、皆さん。"わらわ" がですね、『クンクン』と匂いを嗅いでみると。まだ主人の匂いがするのですよ。それも薄っすらとした残り香ではなくて、二階それもこの奥の部屋に近づいてから更に香りが強くなった気がします。特にホコリとカビとの匂いも混じりますが、家の主人の "あの" 匂いだけは、確実に濃い目匂ってくるのですが。


 と、なると、"わらわ" も妙計をしてみますかね?


 もしかすると、うちの主人は。自分自身の気を消して、"わらわ" が通りすがり諦めて、この店を出るのを待っているのかも知れませんから?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る