第109話 何かしら付いてきました? (41)

「あなたぁ、あああああああああああああああっ! 二階にいるのですかぁ、あああああああああああああああっ?」


 まあ、他所から見ると。はしたないと思いますが、"わらわ "も形振り構っていられません。

 だから、大変に大きな声を出して、叫びました─二階にいるであろう?


 家の主……では無くて、"わらわ" の愛する主人に向けてです。


「………」


『ん? あれ? 反応はないですね?』


 う~ん、今のは余りにも、"わらわ" の物言いが、下品だから、"あの人" は反応しなかったのかも知れませんね?


 だって "わらわ" の主人は、神話の時代から。お淑やかで、お上品な "わらわ" が好きでしたから、今度はお上品にゆるりと、"あの" 人を呼んでみようと思います。


「あなた~、あなた~、あ・な・た……何処にいるのですか? フレイヤはここにいますよ。出てきてください、愛するあなた……」


 取り敢えずは、こんな感じで優しく、二階に向けて、"わらわ"の主人に向けて述べた後、足音がしないかと。"わらわ" 御自慢の立派な耳で、聞く耳を立ててみたのですか。


「…………」


 と、まあ、こんな感じです。何の返答も音もしませんね?


『クンクンクン……』再度、"わらわ "の主人の匂いがしないか、確認の方を取ってみたのですが。やはり "わらわ" の主人の、あの匂いがしますから。


 やはり二階に、いるのでしょうか?


 ……でも反応がないですね?


 と、なると、もう一度、町長に尋ねてみようと思います。


「町長どういう事ですか?うちの主人はいないではないですか?」

 やや憤怒気味の "わらわ" ですから、声の方はやや威圧の掛かった低音で御座いますよ。だから町長慌てて顔を引きつりながら答えてきたのですが。

 その後がいけません。直ぐに立ち直った表情に変わって、こんな感じで一言余計な事も述べてきたのですよ。


 こんな感じでね。


「えっ? いっ、いや、おっ、おかしいですね? 二階にいる筈ですよ、魔王様は……う~ん、もしかして、女王様が怖くて出てこないのかも知れませんね?」


 まあ、こんな感じで失礼を述べてきたから、"わらわ" は最初は、『ジロリ』と、睨んでやった。

 その後は、町長に「誰が怖いですってぇ、ええええええっ!」と、憤怒しながら、申してやりましたよ。(うふ♪)

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