第94話 何かしら付いてきました? (26)

 で、でもうちにはフレイヤがいるから本当に、『ごめんね』としか述べれないんだよ。


 う~ん、うちのカミさんにもごめんねと、述べとこうか……。だってカミさんの事を俺は猫みたいな述べ方をしてしまって本当に悪いと思うよ。


 あっ、あれ?


 でもうちのカミさんは、猫といえば猫かも知れないね。それも真っ黒な黒猫という感じかな?


 だって二人でいる時は、いつもね、俺に『ゴロにゃん、ゴロにゃん』と、甘えているからね。


『ジィ……』


 う~ん、お蝶さんは赤毛の猫かトラ毛の猫かな?


 だってお蝶さんも、先程から俺に甘えてばかりいるからね。だから尚更貰ってくれと述べられば、お持ち帰りをしたい気もするが。うちには既にメス猫ちゃんいるから。ちょっと不味い……。


「……そ、そうなんだ、魔王さま? まだ若いのに奥さんがいるんだ?」


 お蝶さん少しがっかりした顔をしながら俺に告げてきたよ。

 だから俺は、彼女に悪いなと思いながら「うぅん、そ、そうなんだよ……」と、出来るだけ彼女と目を合わせないように告げたのだが。

「へぇ、えええっ! そうなんだ? なら妻の座は諦めるから、妾か側室にしてよ」

 と、告げてきたから。

「えっ? 妾? 側室?」

 俺は思わずビックリして告げたんだよ。

 だって俺の住んでた近代日本では、もうこんな行為は禁止になっているし。これぞまさしく、映画やアニメ、漫画、ライトノベルの世界で良く見て読んだ世界観だと思った。


 だから俺は、本当にフレイヤ連れられて、異世界に着たんだよと実感したのだが。


「うん、妾! 側室! ねえ、魔王様いいでしょ~? 頑張って尽くすからさぁ~、こんな感じで……♪」


 これまた、お蝶さん、俺に『ニャンニャン』と、甘えてきたよ。

 特にさ、先程も少し述べたけど、最初は俺の容姿を見て嫌な顔してたお蝶さんだが。時間が経つと彼女──俺と気が合う事も解ったようだし。それに俺のジュニアは、女神様が太鼓判を押してくれた良物らしから……。


 お蝶さんも直ぐに気に入ってくれて、この通り嫁にしてくれと強請りねだりだしたと言う訳なんだが。




 

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