第88話 何かしら付いてきました? (20)

 帰りましょう!


「あっ、あのう、姫様……?」


「ん? どうしました?」


 いざ、愛する主人の所へ向けて帰ろうとしている "わらわ" を家臣の一名が呼び止めてきました。

 だから足を止めて振り返った "わらわ" ですが。


「あっ、あの……あのですね?」


 何かしら良くは解りませんが、顔の容姿が骨の分際で顔の頬を赤く染めながら照れているのですよ。


 だから "わらわ" は「どうしたのです! ハッキリと申しなさい!」と、両手を腰に手を当てて、その者に申しました。


「で、では申します、姫様──我々に少しばかりお時間を頂けないでしょうか?」


 するとこんな感じで、自分達に時間をくれと申してきたのですよ。

 彼等の話しを聞き "わらわ" 何故? よ思いましたから、彼等に尋ねました。


「何故時間が欲しいのですか? 特に今は大きな作戦が控えている最中です──早く主人の所に戻らないと……」


 とは申しましたけど。"わらわ" は、只主人に怒られたくないだけでして……早く主人の元に戻って謝罪をして奉公したいのですが……


「作戦前だからこそ、尚更です──心身共にリフレッシュをしたいのですが……」


 まあ、こんな感じで皆は、リフレッシュをしたいと申しているのですよ。


「ん? リフレッシュ……。どういう意味ですか、貴方達?」


 "わらわ" は彼等に尋ねました?


「いっ、いや、あっ、あのですね……」


 う~ん、また、骨顔の分際で頬を赤く染め始めましたね……本当に一丁前に……


「貴方達、口に何か入れたような喋り方をせずに、ハッキリと申しなさい──!」


 "わらわ" は家臣達に憤怒しがら言葉を吐きました。


 すると急に家臣達は騒めき出して──少し間を置くと皆が『シュン』と、なり静まり返りました。そんな家臣達の様子を見て "わらわ" は少しばかり気になるので、再度声を掛けてみる事にしたのですよ。

 でないと、これ以降の作戦に支障が出ても困りますから。


「貴方達黙り込みましたけど、わたくしに何か要望があったのではないのですか?」


 "わらわ" は取り敢えず優しく家臣達に述べたのですが。


〈ザワザワ……〉


 と、こんな感じで騒めいて、お互いの顔を見合わせて──『お前が言えよ』と、でも述べたいような感じなのですよ。

 もうハッキリとしないというか、男らしくないというか、まあ、そんな感じなのです。

 だからわたくしは又家臣達に、「いい加減にハッキリと述べなさい──で、ないとこれからの作戦に支障が出たら大変ですから」と、述べたのですが……。本当に男という奴は……。


 と、いった感じですね。


 まあ、うちの主人もたまにですが、こんな表情やモノ言いをするこがあります、口に物を含んだような。


 でもですね、こういう表情をする時はたいがいですね、ろくな事を申してこないから尚更気になるのですよ。


 だからハッキリと家臣達に申せと申しているのですが。


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