第38話 夫婦喧嘩になるのかな? (17)

「あっ、うん、で、でも……」


 まあ、何か良くは分からんが、うちの奥様だかけは、俺が本物のオーズだと分かると、急に 『オドオド』と、し始めているよ。それこ今にも泣きそうな顔を始めているね。


 でも、まあ、仕方がないか、フレイヤ《こいつ》と話しをするのは、神話の時代以来だからなぁ……本当に悪い事をしたと思うし、寂しい思いをさせたと思うよ。


 う~ん、だがな、先程も皆に述べたが。流石にこれはやりだ。悟の体は本当にバラバラだし、彼奴の精神というか、俺自身の精神もここまで良く持ったと思うから。


 まあ、それにしても、挙動不審というか、先程からうちの奥さん、何か様子の方が変でね、『ソワソワ』としているんだよ。だからどうしたのかと、尋ねてみる事にする。


「ん? でもが、どうかしたか、フレイヤ?」


「いっ、いえ、何でもないです、何でも、ただ……」


「ん? 今度は、"ただ"がどうかしたか、フレイヤ?」


「えっ? いっ、いえ、な、何でも、ないです」


「う~ん、そうか……それよりもフレイヤ、先程から奥歯に物が挟まるような物言いをしているが、ハッキリと申せ、何を言いたいのか、俺には全然分からないから、ハッキリ述べろ」


「怒らない?」


「あああ、怒らないよ……」


「じゃ、貴方を治しても、後でわらわを怒ったり、摂関をしたりしない?」


 あああ、なるほど……そういう事か、俺に叱られるのが怖くて、『オドオド』していたという訳だね。


 ……まあ、叱りはしないよ。自身も、昔の記憶も、戻っている訳でもないのに。少しばかり自分の女房に、酷い事を言い過ぎたと反省をしているから……


 でもまあ、少しばかりは、からかってやろうとは思うよ、うち奥さんに。久しぶりというか、神話の時代以来の夫婦水入らずだから。少しは俺もジャレてみたい気もするから。こんな言葉を述べてみようか。


「う~ん、どうするかな? 俺もこれだけお前に、体を引き裂かれバラバラにされたのだから、痛くて痛くて仕方がないし……」

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