第10話
第10話 好戦的な2人
「ミオスタチン関連筋肉肥大…」
「そ、私の体はある意味軽度だけど病気なの。両親がそういうのに詳しかったからね…適切な治療を受けて行きてくることができた。私の身長は161センチ、なのに体重は70キロオーバー…そんなに太ってるようには見えないでしょ?おかげで小中と水泳の授業は全部出られなかった…この高校は水泳は選択だからね、楽でいいさ」
「く、苦労してきたんだね」
「ま、おかげで喧嘩は負けなしだ。ご忠告どうも…で、そっちのあんたの格好はなんだ?コスプレか?」
「あ、あのこれは違って」
「天海さん。思いっきり喧嘩したくありません?」
「お…?そいつは魅力的な話だなあ、どういうことだ?神城さん」
「実は…」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「なるほどねえ、あーいう化け物をボコボコにできるってことか…いいね乗った」
「え?」
「乗ってやるよ、そのアルバイターとやらになってやる」
「いいの?本当に?」
「かっこいい力が手に入って、そんで喧嘩までやれんだろ?最高じゃねえか」
「で、でも天海さん」
「愛羅でいい」
「あ、愛羅さん。命の危険ももちろん…」
「んなことわかってる!いいじゃねえか!それくらいじゃないと!」
「そ、そう…じ、じゃあ明日城波神社に来てくれるかしら?協力してる神様を選ぶから…」
「うぃーす、んじゃまた明日あー」
「また明日ぁ…すごい人ね…まさか今日だけで2人ともこんなにあっさり…」
「そういえば原墨くんはなんて?」
「『今まで霊感が強いのか金縛りや悪寒に苦しめられて来た。そいつらにやりかえせるなら望んでもないことだ』だって…大丈夫かしら…」
「今日仲間になってくれたのは…2人とも仕事熱心そうだね…」
「もちろん戦闘にならないならそれに越したことはないんだけど…」
「まあ、頼りにはなりそうだね…」
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次の日、霧子の家である、城波神社に現れたのは綺麗な女子生徒と小柄で眼鏡をかけた眼光鋭い少年だった。
「あんたが先輩の霜村さんか、よろしく。原墨健だ」
「せ、先輩、照れるなあ。ほどほどに頑張りましょう、原墨くん」
「あぁ、魔物もバケモノもお化けもボコボコにしてやる」
「ひ、ひええ」
「さてと、どんな神様を選ぼうかな」
(さすが天海さん…『選ばれる』んじゃなく『選ぶ』気マンマンだ…大丈夫かな?)
「そ、それでは支部の中を案内します。最後に神様に会いに行きます」
「「うーい」」
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「…では施設はこんな感じです、シミュレーションルームやトレーニングルームは自由に使ってください、それでは異界通信室に入る前に、この日本支部のアドバイザーであり、『選択』を司るイレズマという神様に会いに行きます」
「ふむ、私は選ばれなかったんだよな?」
「う、うん」
「実は才能なかったりして断られたらどうしよう、はっはっは」
「だ、大丈夫じゃないかな?」
「失礼します」
「おー、ようこそ新入りの原墨くん…と」
ぐてーんと椅子に座っていたイレズマが姿勢を正す。
「…そちらの彼女は?」
「見込みがあると判断しスカウトした天海愛羅さんです」
「こいつは驚いた…こいつは選べないわけだ…」
「…どういうわけですか?」
「原墨くんの異界適正度は52…もちろんかなりいい数値だ。だがそちらの天海さん…君は98。ほぼあっち側の人間だ」
「きゅうじゅうはち!?」
「私のセンサーには人間じゃないようにうつってたわけだ…これは失礼した、以後よろしく。2人とも是非自分の命第一に職務を行なってくれ」
「了解です」
「私何?凄いって?凄いって?」
「え、ええ。とりあえず失礼いたしました。それでは異界通信室に行きましょう。おふたりに協力してくださる神様を探しに」
そして4人はイレズマの部屋を後にした。
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