第841話 イスタンブールの乱

「アメフトス陛下、ここは私にお任せ下さい」


「しかし、多勢に無勢。これではそのほうが」


突如として起きた乱、それはパシャ達が集まる会議だった。


警戒は十二分にしていたが、各地から集まるパシャの主義思想は人それぞれ、それを取り締まることは出来ない。


そんな中始まった、会議で一人のパシャが日本との同調姿勢に対して疑問を発言した。


すると、半数近くのパシャがそれに同調したところで、謹慎していたはずのパシャ・アンカラが兵を率いて乱入してきた。


暗殺を計画していたがこちらが一歩遅かった。


アメフトス陛下の護衛には、我が家臣5人とアメフトス陛下直心5人。


敵は会場に50人からで銃を手に突入してきた。


「なんの、これしきの敵、物の数ではござらん」


相手が銃を構える前に、うちの精鋭達は一足飛びに間合いを詰めて、銃共々真っ二つに斬っていた。


「おのれぇぇぇぇえ、黒坂の犬無勢が」


と、パシャ・アンカラが剣を両手に突っ込んできた。


それに向かって、抜刀術を放つと、人ならざる動きのごとく素早くのけぞった。

驚くべき身の柔らかさ。


次々に漸撃をするが素早く避ける。

尋常ならざる動き。


「ぬははははははははははははっ、貴様の剣など当たるものか」


と、パシャ・アンカラの着物を剣がかすめ切った所から黒い靄のような物が見えた。


・・・・・・これはもしや・・・・・・。


「ほほぅ、流石に黒坂の剣術指南か、だが、このくらいでは我は倒せぬぞ」


と、突撃してきた。

素早い突き。

これはいつぞや御大将が繰り出した突きより早い、しかも二刀流、いかん・・・・・・。


刀で右手の一突きをはじいたが、左手の一突きが・・・・・・と、駄目だ、早すぎて無刀取りも間に合わない。


と、危機を感じたとき、家臣がパシャ・アンカラに向かって手裏剣を投げた。


左の背に命中すると、バク転をして後ろに転がった。


「くっ、なかなかやりおるわい。しかし、目的の半分は果たした。また会おう」


と、窓を突き破り逃げていった。


アメフトス陛下を守りながら戦っている間に、多くのパシャが銃撃され、息が止まった者、深傷を負った者が横たわっていた。


アメフトス陛下は無事だったが、多くの犠牲者を出した。


その夜、パシャ・アンカラは挙兵し、黒海の港を次々に制圧した。


多くのパシャの動きを封じたことで、アンカラは反乱を成功させた。

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