第831話 真琴の決意

 世界情勢が少しきな臭くなり出しているのを感じ、俺はカイロで情報収集と再び訪れるであろう戦いの準備をしていた。


大使館内に作られている御籠り堂に入り、精神的な陰陽力強化と肉体強化の為、ピラミッドを登って筋肉を付けるのに勤しんだ。


「御大将、最上義康殿からの連絡で、ウラジオストク城が完成したとの事です」


「うむ、わかった」


「御大将、信海様からの連絡で、香港城が完成したとのこと」


「うむ、わかった」


計画は順調に進んでいる。


中国という巨大な国家を作らせないために始めた策。


しかし、不思議と胸騒ぎが続いた。


なにか禍々しい物が再び動き出していると陰陽力が教えてくれているようだった。


「宗矩、ヌルハチの動きが気になる。シルクロード商人から得られる情報はすべて集めよ。それと、イスタンブールでのアメフトス殿への警護を十分にな」


「御大将、私がイスタンブールに参ります。どうも我が家臣の情報では内乱の臭いがいたします」


「内乱か・・・・・・俺に共感してくれるアメフトス殿が居なくなるのは大きな損失、宗矩、頼むぞ」


「はっ、しかとお任せ下さい」


と、柳生宗矩はイスタンブールへと旅だった。


他民族文化を尊重してくれているアメフトスを今失うのは手痛い。

一神教崇拝政権になってしまえばオスマン帝国も敵になってしまうからだ。

それだけは避けなければ。


俺が生きているうちに政治への宗教力を弱める。

そうしなければ、間違いなく俺のいた未来線で起きそうだった、第三次世界大戦は起きるだろう。


そんな未来線をなくすために働かねば・・・・・・。

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