第670話 識字率対策
この時代の識字率という物は極めて低い。
俺が作った学校に入学する者が貧しい出身だからというわけではない。
全体的に低いのだ。
一説によると協会の天使や神々が描かれたステンドグラスや壁画の宗教画は識字率が低いため、わかりやすく表現した物だと聞いたことがある。
そのため、俺は平成での常識的なことをイラストとして表現する漫画をお江に任せて学校の生徒に描かせた。
地球は丸い物で平面ではない。
地球は太陽の周りを回っている。
太陽の他にも恒星は無数に存在する。
箒星は彗星と言う小さな星で地球の周りを数十年から数百年単位で決まった軌道で回っている物で悪魔の知らせなどではない。
月には生物はいない。
などの宇宙常識。
流行病は目に見えない大きさのウイルスなどの病原菌の感染により発症する。
蚊・ハエ・鼠・ゴキブリなどなどによってウイルスは広まる。
綺麗に見える生水にも病原菌がいる。
流行病は悪魔や魔女が作り出し運んできた物ではない。
などの病気の知識。
人間の肌の色は進化の過程でその場所の環境に適した遺伝子が残った結果であり、優劣はない。
目の色は紫外線の強さなどの環境に適するために適した遺伝子が残った結果であり優劣はない。
肌の色・髪の毛の色・髪の毛の質・目の色・骨格・筋肉の違いは環境に適した物が残った結果であり優劣はない。
すべての生物は遺伝子という設計図を元に作られている。
遺伝子はらせん状で人間の遺伝子は大きく分けて46本の染色体で出来ている。
その染色体に細かな情報があり、その一つ一つが違うだけで人としての個性が出る。
などの遺伝子の知識。
俺が高校在学中に覚えた知識を学校の教科書として使ってきたのだが、それをイラストとした。
月刊漫画誌のような分厚さになって完成した。
それを版画と活版印刷技術を合わせた物で大量に印刷して製本した。
「ぬはははは、なかなか面白い物を作った物だ。これはあの異教徒の教えを否定するのに等しいぞ」
と、織田信長は読んでいた。
この知識漫画は間違った知識で支配している対キリスト教の意味合いが強い。
「これを無料配布を開始します。文化侵略の一つです」
「ふむ。世界の支配者として君臨する常陸の知識が本として出回る。見物よのう」
と言いながら織田信長は読み込んでいた。
「世界の支配者などと思ったことはありませんよ。織田信長と言う後ろ盾がいるからこそ好きに出来たので。で、信長様大切な提案をいたしたく」
と、言うと織田信長は本を置き俺の目をしっかりと見てきた。
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