第596話 黒坂真琴とバートリ・エルジェーベト

「バートリ先生、学校では暴力的指導は控えてください。俺は暴力的教育は本当は好きではありません。ただ、それもこの国のやり方なのかと目を瞑ってきましたが」


俺はお初と松様からの報告でバートリ・エルジェーベト氏を学校長としての方針を伝えるべく呼び出した。


「ふふふふっ、あのくらい普通ですわよ。この貴族たる私めが教えて差し上げているのですから」


悪徳貴族の見習いのようにゴスロリでひらひらした扇子を口元を隠して言うバートリ・エルジェーベトは、いかにも敵キャラクター、出会ったときから思い出そうとはしているが、ん~なんか有名人にいた気がするのだが俺は、思い出せない。


あまりヨーロッパ史の深い部分を知っているわけではない。


実は苦手なのだ。


ラノベや漫画、アニメファンが大好きなキャラクターに似たような名前がいた気はするが・・・・・・。


俺は元々は青春ラブコメ系のラノベが好きで平成時代にも、小説投稿サイトに投稿していたのはヒロインが少々変態のラノベを書いていた。


あのラノベはちゃんと消されているのだろうか?などと考えるのは今は置いといて、学校を永久に続けられるように仕組みを作りたい。


先ずは教師の育成だ。


「貴族と言うのは忘れてください。あなたは今は羽柴秀吉殿の側室。日本国の官位的には私よりは遙かに下です」


「ふふふっ、そうだったわね。だけど、私はこれでも一国の主よ。だから、黒坂常陸様とは互角なはず」


「あ~ま~そうでしたね、たしかチェイテ城とかでしたよね」


「そうよ、私の大切な大切な城」


「なのに今はここ?」


と、言うと持っていた扇子をバキッと折り、


「悔しい、悔しい、悔しい・・・・・・ガーボルに追い出されていなければ、今もあのお風呂に入っていたのに・・・・・・」


「風呂?追い出された?ん?」


「・・・・・・忘れて頂戴。わかったわよ、鞭はしまっておくは。それより、あんなにいっぱい囲っておいて食べないの?」


「食べないよー!」


と、猫耳人獣美少女的に声を出してしまうとバートリ・エルジェーベトは一瞬驚き、


「あら~もったいないわね」


「もったいないとかではなく、教育する立場の俺が模範的にならないと駄目なんです。そこは開校当初から決めている線引き、茶々との約束もありますが、兎に角、決めている事絶対に破るつもりはありません」


確かにハーレムにも出来るわけだが、どこかで線引きをしっかり決めておかねば、それが生徒には手を付けないという俺の中で決めた事。


「なら、私に食べられてしまうなんてどうかしら?これでも床上手よ」


誰だよ、ここまで流ちょうな日本語教え込んだの?外見ロリなのに中身は下ネタババアになってるよ。残念だよ。


「ふざけないでください。兎に角、暴力的指導はやらない。良いですね?」


「ふふふっ、猿の調教だけね、ふふふっ」


「そちらはご自由にして貰っても良いですが」


「なら、私が生徒を食べては良いかしら?」


「はあ?」


「可愛い果実ちゃん達を味見したいは」


「いい加減にしないと解任しますよ」


「ふふふっ、私くらい上流階級の教育ができる者はいるのかしらね?しかも、日本語が使えて」


確かにヨーロッパの上流の教育ができる者の伝手が乏しく、世界の共通語は日本語になろうとしている段階で手放す人材ではない。


悔しいが残って欲しいのが本音だ。


グッとこらえるのは俺のほう。俺へのセクハラは目をつぶろう。


「兎に角、お初の言う事は聞いてください。以上」


不敵な笑みを見せながら退室するバートリ・エルジェーベトの代わりにアセナがベリージャムを炭酸水で溶いたジュースを持って入室してきた。


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