第368話 ワジナ壁画(オーストラリア開発編2)

 アボリジニももちろん多種部族、そのため友好的関係を築いていない部族も存在する。


多少なり小競り合いが発生するので、友好的関係を築くために俺が出向く。


家臣たちは「御自重下さい」と、言っているが任せて被害拡大全面衝突の事態を避ける為には自ら出向くのが一番だと思った。


友好的関係を築いてる部族には勘違いされて拝まれている対象になってしまっているのを利用する。


案内役に友好的アボリジニを頼み30人程で贈り物を持ち挨拶に出向く。


念の為完全武装、和式愛闇幡型甲冑(わしきあいあんまんがたかっちゅう)着用。


お初も見張りに付いていくと言う。


鍛えているお初は、なかなか強い。


女だからと言う理由で置いては行けないので、許すしかない。


陸地を夕方まで馬で進むと、小競り合いのあった部族の集落に入った。


そこで友好的アボリジニの通訳のもと贈り物をする。


美少女萌陶器・美少女萌木彫りフィギュアだけではなく、実用的な刀や弓矢・斧・鉈などもある。


美少女萌が万人受けしないことはよくよくわかっているからだ。


この小競り合いをした部族は後者、鉄で出来た刃物を有り難がる部族だった。


その贈り物をして、なんとか友好的関係となり帰路に着くと夜になってしまい、近くにあった洞窟で夜を過ごす事になる。


食材はその辺にいっぱい飛び跳ねてるので、困ることはなく、うちの足軽がしとめてきたカンガルーを焼いて食べる。


「ヒタチさま ちょっと コチラに」


と、友好的アボリジニに案内されるとそこには壁画が描かれていた。


「ヒタチさま この むかしむかしの絵 似ている」


そこに描かれていた絵は「ワジナ」と呼ばれる口のない人?の、絵だった。


・・・・・・!


偶然の一致なのだろう、和式愛闇幡型甲冑(わしきあいあんまんがたかっちゅう)を着用した俺はそれに似ている。


「太古の昔 ワジナは 知恵を授けた ヒタチさま これに似ている だから 従う」


あっさりと友好的になった部族はこの伝説を信じ信仰していたわけか。


「不思議な絵、人間であって人間ではないような絵」


と、お初は魅了されているみたいだった。


「日本で言う、イザナギやイザナミなど国産みの神の伝承に近い物かも知れないな。南アメリカやエジプトなどの異国にも太古の昔に英知を授けてくれた存在の伝承が伝え残っていたりするから、おもしろいのだが」


と、お初に言うとお初は


「なんでも知っているわね」


と、言うのでオタク的にお約束の返事をしないとと思い、


「なんでもは知らないわ、知っていることだけよ」


と、言うとお初は


「何ですか?それは?ふふふっ」


と、笑っていた。


その後、その壁画には俺が追加され描かれてしまった。


ん~なんか、やはり勘違いされてるな。

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