雹
晴れてた空が急に暗くなって
雹が降りだした
4月なのに
車の中からコツコツとフロントガラスを叩く雹を見て思い出していた
あの日もこんな風に晴れた4月だったね
君と手を繋いで
君が通う予定の幼稚園を見に行った帰り道
突然空が暗くなって
小石がばらまかれたように
大量の細かい雹が降ってきた
あまりの痛さに高架下に逃げ込んだっけ
君は楽しそうに大笑いをして
「すごいね~、すごいね~」
とぴょんぴょんしながら雹を見ていた
そんな君を見ながら私も楽しくなって
なかなか降りやまない雹と君を
幸せな気持ちで眺めていた
ようやくやんできたから
今のうちに帰ろうと
また君と手を繋いで歩き出す
どんな時も楽しそうな君は
ジャリジャリと雹を踏みしめながら
また
「すごいね~、すごいね~」
と繰り返す
なんかね、君といると
どんなことも楽しくなってしまうような気がするんだ
嫌なことも
面白くないことも
つまらないことも
君の笑顔で全部楽しいことに変わる
君が嫌がることも
その百面相が
私の心を弾ませてしまう
いつかは大人になってしまうとわかっていても見逃してしまう君との毎日
一つでも多くのことを目に焼き付けて
心のアルバムに残していけたら
私の幸せは少しずつ増えて
穏やかに笑って生きていけると思うのです
君がくれる楽しさが
これからも私たちの毎日を
幸せにしてくれますように
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