蝉の声

蝉が鳴いている

朝からずっと


毎年同じように

これでもかと言わんばかりに

鳴きわめいている


もう

いい加減にしてくれ


そう思った瞬間

ベランダに蝉が落ちてきた


そうだ、そうだった

忘れていた

毎年同じようにうるさいこの声は

毎年違うセミの声


いや、毎週違うセミの声


君は使命を全うできたのかい?

ベランダの蝉に問いかける


もだえるように足を動かしながら

一歩一歩空へ向かって

最期の脱皮をしているようだ


そうしてまた

来年は違う蝉

毎週毎週

違う蝉


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