『Vivy -Fluorite Eye's Song-』

『Vivy -Fluorite Eye's Song-』(TV/監督:エザキシンペイ/2021)


 人間とAIが共存するようになった近未来。主人公であるアンドロイド・ディーヴァ(時々ヴィヴィ)の使命は「歌で人を幸せにすること」。

 そんな彼女の前に現れたのは、百年後の未来から来たというキューブ型ロボット、通称・マツモト。彼曰く、ちょうど百年後に、人類とAIは戦争を始めてしまう。それを防ぐ手伝いをしてほしい、とのこと。

 何故ヴィヴィが選ばれたのか? マツモトの正体は? そして彼女たちは、暗黒の未来を変えることができるのか?


 ものすごく簡単に言うと、実体を持ったヴォーカロイドが『逆ターミネーター』をする話、である。これだけでSFファンとしては大騒ぎできるのだが、それに輪をかけて素晴らしいのは映像美。

 いや、この類のジャンルで映像がダメダメだったら台無しなわけだが、そんな心配は皆無。もっとすごいアニメもあるにはあるが、TVアニメであれば余裕で及第点を超えるだろう。


 ただ、どうしても気になるのは、過去の伝説的SF作品のいいとこどりをした感が否めないということ。いや、そこがいいんだけどね。

『ターミネーター』『ブレードランナー』『2001年宇宙の旅』諸々……。

 それでもきちんと一本の作品として成り立っているのは、やはり『歌』がキーワード、キーアイテムとして機能しているからだろう。


 評判も上々だし、キャラクターも親しみやすい。今まであまりSFに興味のなかった方にも、堂々とお薦めできる一本である。

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