『天空の城 ラピュタ』
『天空の城 ラピュタ』(映画/監督:宮崎駿/1986)
最初にツッコミどころを述べる。
……夢とロマンがありすぎだろ、これ!(驚愕
最早ストーリーは語るべくもないが、敢えて語らせていただきたい。
ある日、女の子が空から降りてきて? 彼女はペンダントを持つが故に追われる身で? そのペンダントこそ、自分の父親の遺志を引き継ぎ、冒険に出るきっかけになった、って?
お膳立ては完璧じゃねえか(^ω^)
当時から作画に関しては他の追随を許さなかったスタジオジブリの作品だが、光のエフェクトは随一だと思う。ロボットのレーザー光線とか、飛行石の輝きとか。
作画に関しても、ガンダムとかパトレイバーに比べるとやっぱりよく動くし、『どうすれば観客が楽しんでくれるか』に主眼が置かれている感覚が実に心地よい。飽きないね。
まあ、ロボットの動きだったらガンダムの方が上だし、抑制の利いた演出はパトレイバーを始めとする押井守監督作品の専売特許だが。
パズーとシータという二人の主人公が、互いに心を通わせていく過程も、実にさっぱりとしていながら、説得力は抜群。素晴らしい脚本である。
そして、切ない。名言ばかりのこの作品だが、個人的に一番の名言はクライマックス、ムスカの口から語られる。
「ラピュタは滅びぬ! 何度でも甦るさ! ラピュタの力こそ人類の夢だからだ!」
痺れるね。マジで。
ムスカは金銀財宝よりも、ラピュタの有する破壊兵器としての側面をして『人類の夢』と言っている。どんな罵詈暴言よりも、恐ろしい台詞だと、筆者は思う。
そして、最後に訪れる切なさ! 泣ける!
いや、明らかにハッピーエンドなのだけれど、『この後パズーとシータはどこへ行くのだろう?』『海賊の皆はどうするのだろう?』という哀愁、登場人物たちと別れねばならないという、観客としての寂しさが、ぐっと胸に迫る。
申し遅れたが、作品を彩る音楽もまた、凄まじい包容力を有している。ふっと自然に観客に寄り添い、心を汲み上げてくれる。
個人的意見で恐縮だが、やっぱりジブリの最高傑作はラピュタ。非の打ちどころなし。最高。
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