『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』【2019/6/2 公開中】

『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』(映画/監督:マイケル・ドハティ/2019)


 もう半年もまともなレビュー書いてねえ、やってられっか! と、いうわけで、岩井の好物ゴジラである。

 だが、『大』好物だとは言えない。過去には、とても褒められたものでないクオリティのシリーズもわんさかあったし、筆者が十分な満足を得られるゴジラシリーズ作品は、片手で数えられるほどしかない。


 そんな中、『ド派手な映像だけ見られればいいや』と思って劇場に足を運んだ岩井。そんな彼が遭遇したのは、未だかつてない映像体験だった。『ゴジラ』(1954)、『シン・ゴジラ』(2016)に続く、トンデモクオリティのゴジラが、海外で創造されようとは、思いもよらなかった。


 ドラマはよくある『別れた家族の再構築物語』である。が、そこに絡んでくる怪獣たちの性質や分析情報、キャラクターたちの決断が、どんどんどんどん押し寄せてくる。っていうか、怪獣出すぎじゃね? ってくらい、初っ端からエンドロールまで、彼らの雄姿を拝むことができる。


 キャラクターの心の動きから葛藤、決意という流れは、一人一人実にシンプル。ツッコミどころもあるが、そこはもうスタッフの『怪獣愛』でいくらでも埋められる。


 まさかなあ、初代の『ゴジラ』と同じオープニングとは……。足音×3、その後に咆哮。これだけで、筆者のような懐古主義者は歓喜の渦に巻き込まれる。

 また、葛藤するのは人間だけではない。ゴジラにだって敗北はあるし、休息もある。そして迎える最終決戦、ゴジラvsキングギドラ。こんな胸躍る怪獣プロレスがかつてあっただろうか?(上記の日本版二作品には、ゴジラ以外の怪獣が出てこないし)


 まさに至福と興奮と満足感をもたらしてくれる、とてつもない一本であった。

 必見。

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