偏差値18 岩山で3  竜魔法

 「思い出しました主! 」


 「何を? 」




「たぶん、この山・・・ちょっと失礼します主!竜魔法『竜の大翼』!」


「えっチョッ何?」


風が吹き、目を開けるとラコンが消えていた。


(何なんですか!)




「え?ラコン? 」


「ソウタ!上!」


「上? 」


上を見るとラコンが空を飛んで周りをキョロキョロ見ている。




「飛んでる?何をしているんだラコンは?」


「何か探しているみたいね。あ、降りてきた」


ラコンはゆっくりと降りてきた。風がすごい。




「おい。急にどうしたんだ?ラコン!」


「失礼いたしました主。その金きんを見て思い出したことがございまして」


「何を思い出したんだ?」




「実は我昔この山に金きんを隠していたのでございます。他にも宝石とか、武器とか・・・」


「(「ええ!?」)」


「いやー我ら竜は光るもの、特に金きんが大好きでございまして、集めて眺めるのが大好きでございます。我もこの山に隠していたのでございますが、忘れていまして今思い出しました」




「そんな習性があったんだ」


カグツチさんがうなずく。


「ああ、聞いたことがあるね。竜は自分の巣に光るものを貯め込むって。でもこの山はラコンの巣じゃないだろ?私達とはここからとても遠いところで戦っただろ」


「あ、我色んな所に行くので巣がないのでございますよ。秘密の場所としてここに隠したのでございます」




「・・・もしかしてユヤはその金きんを盗りに来たんじゃない?」


「はっ!そうかもしれないでございますね。・・・いや、それに違いありません。次あった時は即火炙りでございますね。で、その金を主に預かってほしいのでございます」


「え?なんで?」




「竜の時は時々ここに来て眺めていたのでございますが今は竜人なのでいちいちここに来るのが面倒でございます。主は「パンドラボックス」を持っておられるので主に預けておけばいつでも見ることができますし、盗まれません。いかがでございますでしょうか?」




「えーと「パンドラボックス」なら大丈夫だと思うけど、どれくらい量があるの?」


「我が埋まるくらいの量でございますね」


「竜の時?竜人の時?」


多分前者。


「もちろん竜のときでございます。」


やっぱり。・・・多い。


「結構な量だけどいいよ。預かるよ。でこの山のどこにあるんだい?」


「う~んと、・・・記憶によると確か・・・ちょっとそこを降りたところだと思います」


「よし、行こう。だが、その前に」


「何でございますか?」


「聞きたいことがあるんだ。竜魔法とは何だ?」




「説明し忘れていましたね。知らないのも無理はございません。だって我が開発したオリジナル魔法でございますからね」


作った?


「お前が作ったのか?」


「はい。竜魔法はですね、ブレスを吐けない、空を飛べない竜のための魔法でございます。竜にもいろいろな種類がございまして我はブレスを吐けない、空も飛べない、強いていうなら咆哮ができるだけのただでかいドラゴンだったのでございますよ。まあそれなりに強かったのでございますが、やっぱりブレスを吐くことは竜の花形、それに飛びたかった。なので苦労いたしまして「竜魔法」を開発できたのでございます!


この魔法を使えばどんなブレスでもたいていできますし、空も飛竜のごとく飛べます。我はこの魔法のおかげで強くなったのでございますよ」




「え、じゃあ私達は本当の竜のブレスでなく魔法のブレスを吐く竜と戦ったのか・・・」


「そうなりますね。でも偽物のブレスだと思って舐めないでくださいよ!研究して本物と同じくらいの威力が出せるようになったのでございますから!でも竜の時は無詠唱で出せたのに竜人になると詠唱しなきゃ出なくなったのでございますよね・・・」




「へえ、オリジナルの魔法か。カグツチさん、魔法って作れるんですか?」


「普通は無理だね。魔法定理や論理を熟知しないと。だがブレスの魔法か・・・他の竜も使えるのかい?」


「さっき竜の大元って申し上げましたでしょう?今の竜は大体竜魔法使えますよ。我が教えましたからね!魔力が多い竜なら竜魔法のブレスのほうが楽なんだそうですよ?」




「ふーん。ラコンって意外とすごかったんだな。今度教えてくれないか?」


「え、でも人間が使えますかね?」


「竜人のお前が使えたんだ。人間の俺が使えないわけないだろ。ほぼ同じ種族なんだから」


「それもそうでございますね。今度お教えしますよ。でも悪用しないでくださいよ?」


「だれだと思っているんだ?お前の主人だぞ?」


「そうでしたね。では行きましょうか!」


あ、やっぱわかんなかったか。




ユヤたちが来た方向と反対に行くと降りれる坂があってそこを進むと・・・




「ありました!この岩でございます」


「岩?岩がどうしたの。あ、まさか扉になっているとか?」


「正解でございます主 よくわかりましたね」


(よくある話だ。岩が何らかの扉になっているのは。)


(そうですか?僕は知りませんが)




「どうやって開けるんだ?まさか呪文を唱えないといけないとか?」


「違いますよ。手を当てて魔力を流すのでございます。魔力の波の形で認識して開くのでございます。・・・あれ?」


「開かないのか?」


「開かないのでございます!反応はするのですが・・・」


「あー、もしかしてお前の魔力は元々俺のだから合わないんじゃない?」


「!!そうかも知れません!どうしましょう主!」




「どうしましょうって。ん?この岩はただ魔法がかけられた岩なんだよな」


「そうでございますが?」


「この岩を壊しちゃえばいいんじゃない?」


「え!困りますよ主!」


「どうせもう使わないんだろ?」


「・・・いいですよ。あ、魔法で壊さないでくださいよ?魔法反射の魔法をかけてありますので。主の高威力の魔法がそのまま跳ね返ってきますよ。」


「そうなのか。だが大丈夫だ。ケイ。頼んだぞ」


「わかりました!ずっとソウタだったんでひまだったんですよね。いきますよ~!!!」


「あー、主にはもうひとりケイという方がいらっしゃったんですよね」


「・・・魔力を込めて・・・えい!」


身体強化ですごい量の魔力を拳に込め、岩を殴る。




ピシッ


「おお!すごいパンチでございますなあ!」




ガラガラガラと岩はパンチ一発で崩れた。




「竜のときの我でも壊せなかったのに。流石でございますね」


「照れるよ。さあ岩も壊れたし中に入ろう!」








「洞窟になっているんだね。この広さなら竜でも入れそうだ」


「我・ながらいいところを選びましたよ」


「ラコン。いつぐらいからここに集めているの?」


「えーと。我が300歳のときからでございますね。マイン殿。最初は置き場所としてここを使っていたのでございますが盗まれたり、他の竜もここを使い始めたりしたので400歳ぐらいの時にここを我の縄張りにすることができたのでございます。大変でした。・・・もっと奥に進んだところでございますよ」


スケールが違う。というか忘れるな  全員が思った。




ラコンに道案内されて進むと・・・




「ここでございます」


「「「おおお!」」」




続く。


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