Works:200~紫電の薔薇~

ねぇ、知ってる?

いつものように魔法学院の先輩である君は言う


何を?

後輩の私がこう返す日常


今日もそんな一日が繰り返される

木陰のベンチでお昼を食べながら


今日の話題は花言葉

得意気に知識を披露する君を眺めつつ


私は思いを馳せる

君の誕生日まで後一週間


花束もいいかなと思うものの

流石にそれは気恥ずかしい


そんなことを考えながら

あっという間に時間は過ぎて


今日は君の誕生日

手ぶらできた私を見て


君は少し意気消沈

日が落ちて夜の帳が降りた頃


私は覚えたてのスペルをキャスト

突然詠唱を始めた私を君はビックリしながら見ている


リリースされたのは雷

描く奇跡は薔薇の花


尊敬している君への

背一杯の私の魔法


紫の薔薇は友達に贈るのにいいんですよ

そう微笑んだ私を複雑な表情で君は見ていた

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