第18話ジェラシーから天国
山田と向かい合う花。
山田、無言で食べる。
「…なんか、怒ってます?」
「い、いえ…」
「海行ったの、まずかったですか?」
山田、無言で首を振る。
「た、楽しかったですか?」
俯いたまま尋ねる。
「はい、楽しかったです。次は山田さんと行きたいなぁ」
「えっ」
花のグラスから水滴が落ちる。
「あっ」
ハンカチを取りだし、慌てて洋服を拭く。
山田から貰ったハンカチだった。
「あ、それ…」
「このハンカチ、お気に入りです」
「はっ、良かった…」
ズレたメガネを上げる。
「海、行きませんか?」
「そ、そうですね」
「山田さんは運転されるんですか?」
「はい、します。」
「山田さんの運転がいいなぁ。
リリーさんには私が運転するように言われてるんですけど、山田さんなら大丈夫かも…」
「リリーさんに聞いてみますね」
「お願いします」
「じゃあ、私が音楽つくりますね!」
「どんな感じが好きですか?」
「僕もワンオクが…」
花が好きだと聞いて、すぐにCDを買った。
「良かった!じゃあ持っていきますね」
「お願いします」
「楽しみですね」
嬉しそうに笑う花を見て
山田は夢なんじゃないかと思った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます