第18話ジェラシーから天国

山田と向かい合う花。

山田、無言で食べる。

「…なんか、怒ってます?」

「い、いえ…」

「海行ったの、まずかったですか?」

山田、無言で首を振る。

「た、楽しかったですか?」

俯いたまま尋ねる。

「はい、楽しかったです。次は山田さんと行きたいなぁ」

「えっ」

花のグラスから水滴が落ちる。

「あっ」

ハンカチを取りだし、慌てて洋服を拭く。

山田から貰ったハンカチだった。

「あ、それ…」

「このハンカチ、お気に入りです」

「はっ、良かった…」

ズレたメガネを上げる。

「海、行きませんか?」

「そ、そうですね」

「山田さんは運転されるんですか?」

「はい、します。」

「山田さんの運転がいいなぁ。

リリーさんには私が運転するように言われてるんですけど、山田さんなら大丈夫かも…」

「リリーさんに聞いてみますね」

「お願いします」

「じゃあ、私が音楽つくりますね!」

「どんな感じが好きですか?」

「僕もワンオクが…」

花が好きだと聞いて、すぐにCDを買った。

「良かった!じゃあ持っていきますね」

「お願いします」

「楽しみですね」

嬉しそうに笑う花を見て

山田は夢なんじゃないかと思った。

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