九十二 夏と言えばこれ……
コトコト、コトコト、コトコト、野菜を煮込んでいる。人参、玉ねぎ、ジャガイモ、生姜、ピーマン、那須、南瓜が入っている。今日は、朝からカレーを作っている。ルーは、まだ入れていないが、野菜を煮込んでいる。凄く野菜の甘い香りがした。これで、スープを作ったら美味しそうだなと思いながら少し火の火力を弱める。
「お母様。おはようございます」
「あら。おはよう」
「何を作っているの?」
「カレーですね」
「それにしても野菜の香りがいいわね」
「このまま豆とか入れて、スープとかでもいいですけど」
「それだとスープよね」
「それは、次回にでも作ります」
「それよりもなんでカレーなの?」
「マールムお姉様が、夏バテしているので、いいかなと思いまして」
「貴男て、お姉ちゃん大好き子よね」
「褒めても何もでませんよ」
そんな会話をしているとスープの匂いに釣られて、ロートゥスお姉様がこられる。それもゆっくりと気配をけしてきた様子だが、お母様も僕もそれくらいなら解る範囲だったりする。
「ロートゥスお姉様どうしました?」
「びっくりした」
「なんでばれたの!」
「解りますよ」
「お母様にもばれていますよ」
「二人して、凄すぎでしょ」
「それよりどうしました?」
「凄く美味しそうな匂いがしたから」
「お昼ご飯カレーですよ」
「それは、凄く楽しみだ」
「マールムお姉様大丈夫そう?」
「うん。ゆっくり横になってるよ」
三人で、麦茶を飲みながらマールムお姉様の状態を話している。今年は、珍しく夏バテしてしまって、ベットでゆっくりと眠っている。デザートに、果物のゼリーでもと朝早くに、桃とリンゴで作っておいたので、お昼には、固まるだろう。そんな事を思いながら三人で話し、僕は、料理を作る方に戻る。
あれから煮込んでからルーを入れて、弱火で煮込んで、さらに少し氷が入った空間で冷やして置いておく。これにより、ねかしたことになるので、かなり魔法は、便利だったりする。
「マールム大丈夫」とお母様が様子を見にいき。
何とか落ち着いたと言ってきたので、時間も良い時間だったので、ご飯を出す事にした。一気に食べると消化にも悪いと思い少なめにご飯を盛って、カレーをかけて出した。
「これ凄く美味しいね」
「カレーライス食べれそうですか?」
「うん。少し落ち着いたから大丈夫」
それを聞いて、カメッリアお姉様とロートゥスお姉様にも声をかけて、お昼に食べる。カレーライスをだす。二人は、食欲があってかなり食べるので、カツを作ってかけてあげていた。
「カツが、サクッとしていて、カレーに合うね」
カメッリアお姉様は、嬉しそうにカレーを頬張っている。ロートゥスお姉様は、早い事に、二杯目を食べ始めている。お母様も美味しいわねと鳥カツを食べている。から揚げカレーを食べていると言う事だ。
マールムお姉様は、カレーを食べた後は、デザートのゼリーを食べてからご馳走様をしていた。
「ゼリーがさっぱりしていて、美味しかったよ」
「ありがとうね」
それから夏バテもなんとかなおり、いつものマールムお姉様に戻っている。いつもの元気なお姉様に戻って良かったと思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます