四十八 夏休み

「う~~~ん久々の休みだぁぁぁ」

「みんな元気かな?」

「去年は、バタバタしていて帰れなかったから……」

「やっとの休みだよ」

「あぁ、夏休だ~」

「フルグルとか元気かな?」

「今年の誕生日お祝い出来なかったけど寂しくしてないかな?」

 やっと夏休みと言う長い時間の休みになり、自宅に帰還している。二年生になり少し落ち着きがでたので、休みを使って家に帰ってきた……皆元気かな?

「コンコン、コンコン、コンコン」

「は~い、どちら様?」

「お母様お久しぶりです」

「あら、カメッリアお帰りなさい」

「思ったより早く着いたのね」

「みんな元気ですか?」

「マールムは、さっき帰ってきたから居るわよ」

「あれ他の皆は?」

「フルグルは、狩行っていないわね」

「お兄ちゃん達は、学校の打合せと引き継ぎで」

「ロートゥスは、今日は、同い年の女の子と遊んでいるわね」

「お母様、ちょっと待ってください」

「どうしたの?」

「お兄様達は、学校て解ります」

「妹達もいつも道理だと解りましたが……」

「フルグルが、狩に言ってるてどういう事ですか?」

 そう言えば、フルグルが狩りしてるのを知っているのって、カメッリア以外全員だった。手紙には、特に書く事でも無かったから伝えてなかったけど、いつもの事だから気にしてなかったけど……そうよね、びっくりするわよね。

「お母様に狩りの仕方を習ってから狩りするようになったのよ」

「あれ、フルグルて、三歳でしたよね?」

「そうよ」

「最近は、お肉、香辛料とかをお土産に持ってくるようになったわよ」

「信じられません」

「あんなに、可愛かったフルグルですよ」

「時は、残酷な物ね」

「綺麗に、纏めないで下さい」

「あらあら」

「そんな事言っていると今の姿をしたフルグル見れる?」

「そんなに、変わったのですか?」

「惚れちゃ駄目よて言う感じくらいかしら」

 そんな、私が見えないくらい可愛くなったて事なんでしょうか、会うのが凄く楽しみになってきました。早く帰って来ないでしょうか……凄く楽しみです。

「それは、凄く楽しみです」

――ただいま帰りました。

「あ…カメッリアお姉様、お久しぶりです」

「フルグルが、かっこよくなってる!」

「お母様、お土産のお肉です」

「あら、ありがとう」

「それより、玄関でなにをしてるのですか?」

 転移を使って、帰ってくると玄関の所にカメッリアお姉様が、お母様と二人でいるのが見える。楽しそうに会話をしてるのが解っているが、急に僕をじっと見つめるお姉様が居る。

「フルグル身長伸びた」

 近づいてきて、僕の身体を触るお姉様……中々離さずずっと触っている。

「筋肉もついて、顔もかっこよくなってる」

「私は、いつでもお嫁に行けるね」

「お姉様、お嫁に行くのですか?」

弟君おとうとくん意地悪言わない」

「三歳の僕に、婿は辛いです」

「そこは、大事にしますだよ」

 お姉様は、ぶれる事が無くいつも道理変わらず僕をお婿さんにすると言っている。冗談なのか本気なのかはあまり考えたくないが……多分後者だと思うが考えるのはやめようと思う。

 そんな中で、ロートゥスお姉様が丁度帰ってきた。

「あれ、お姉様、フルグル、お母様……玄関で何してるのですか?」

「あら、ロートゥスも帰って来たのね」

「ただいま帰りましたて、フルグルまだお風呂入ってないでしょ」

「先に入っていいですよ」

「前に約束したのだから今日は居るわよ」

「エェェェェ、フルグルと私が入りたい」

「カメッリアお姉様、心の声がだだ漏れですよ」

 どうして、この二人の姉は、僕と入りたがるのかがいまいち分からないのだが、狩にいくようになってからロートゥスお姉様は、僕とお風呂に入りたがるようになった。カメッリアお姉様は、昔からだがやっぱり性格は治っていなかった。

「カメッリアお姉様は、長旅で疲れているのですから一人でゆっくり入った方がいいと思います」

「この頃いつも入っているなら私に譲ってよ」

「ここは、姉妹で入ればいいのでは?」

「「フルグルだまってて!!」」

 こっそりと音をたてずに歩いている所をお母様に捕まり、貴男が居ないと問題になるでしょと言われて仕方なくいる羽目になる。

 ここの騒ぎ声を聞いてマールムお姉様が、自分の部屋から出て来て声をかけたる。

「あ、カメッリアお姉様だ」

「お帰りなさい」

「ただいま、元気だった?」

「うん、元気だよ」

「それより何をもめてるの?」

「お風呂について話をロートゥスとしてる所……」

「ロートゥスお姉様、カメッリアお姉様、三人で入ろうよ」

「「あっ、そうね……」」

「「はいりましょう(ろう)」」

「それなら僕は、お姉様達が出たら入りますね」

 そう言って、僕はその場を離れて自分の部屋に戻った。流石に、妹に言われたら嫌だとは言えないのが、二人の良い所だったりする。

「わ~~い、久々に三人では入れる」

 お姉様達が、ゆっくりとお風呂に入った後で、僕は、一人ゆっくりと湯船に浸かり、あのバタバタした中でカメッリアお姉様が家に帰ってくると言うイベントが起きるのだった。

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