三十四 遊びに出掛けよう【後編】
チャイムを鳴らすと、お爺様が、出てきて、お婆様は、書庫に居る事を教えてくれる。中に入って、書庫まで案内してもらい扉の前に立つ。
「コンコン コンコン コンコン」
「はーい、いらっしゃい」
「あれ、私達来るの知ってました?」
「ディアントゥスから魔法で、来る知らせ聞いているから、知っておるぞ」
「お母様、どれくらい魔法詳しいですか、お姉様」
「おや、その声は、フルグルか?」
「はい、はじめまして、フルグルです、お婆様」
「ディアントゥスから聞いていたが、礼儀が正しいのぉ」
「それに、儂と一緒で、髪が赤いのじゃな」
「魔力も爺さんから聞いとるよ」
「カメッリアも、よく来た」
「はい、お婆様もごきげんで、なによりです」
「すまんな、先に、フルグルとお話をしてしまって」
「いえ、分かってましたし、前に、着た時に、会いたがっていたのをしってましたから」
お姉様の喋り方が、いつもと違う、どうしたんだろう――。
「フルグルよ、カメッリアの喋り方に、驚いているようじゃな」
なんで、ばれたんだろう、顔に出した覚えないだけど?
「このとしになると、色々解るじゃよ」
「お姉様の喋り方は、習って覚えた物ですか、それとも魔法の
「後者の答えじゃな」
「魔法で、覚えた動作じゃよ」
「儂と会うと、自然にでるように、昔に、教育と言う魔法で、覚えたのじゃが、違和感が、あるかもしれんが、この場所に、いる間だけでも良いから我慢をしてほしい。
「僕にも、その教育と言う魔法を使いますか?」
「いや、頭の良い、フルグルには、使わんよ」
「なんせ、使う意味ないからな」
「そうですか、それは、良かったです」
「ディアントゥスが、優秀と会う度に、言っておったが、そのとしで、落ち着きまでもあるとわ」
「あっぱれじゃよ」
言葉、一つ、一つに、違和感があると僕の中で、思ってしまった。
「褒め言葉として、受け取ります」
「カメッリアは、あの状態じゃから、何を話しても覚えておらんから、ここは、腹を割って話さないか?」
いきなりなにを、言い出すだろうか、お婆様、今日初めて、会ったはずだけど……。
「どういう意味ですか?」
「一歳児にしては、頭が良すぎると言う事じゃよ」
「僕は、本を読んで、勉強しただけですよ?」
なんで、そんな事を、態々きいてくるだろうか?
「あの家に、ある本は、全部知っているが、そこまで、話せるような内容は、ないはずだが……」
「お婆様は、何が言いたいのですか?」
「お主は、転生者じゃろう?」
僕は、心を
「どうして、その言葉を知っているですか?」
「お主に、喧嘩を売ってるわけじゃない」
何と言う、殺気じゃ、こんなに怖い、殺気は、初めてかもしれない。
「頼むから、その怖い殺気を抑えてくれんか……」
「質問に、答えてもらってませんよ?」
なんで、そんな話をしてきたのかが、まったく理解できない。
「儂も、転生者じゃから解ったと言う言葉じゃ、たりないか?」
殺気が、一瞬にして、消えるのが分かった。どうやら、警戒を解いてくれたようだ。
「それで、お婆様は、何がしたいのですか?」
「お主の……」
「すみませんが、そのお主と言う言葉を、いい加減辞めてもらえませんか?」
聞いているだけで、何故か、息がつまる感じがする。
「すまん、フルグルの事を確かめたかったのじゃ」
「お母様に、言いますか?」
「それは、絶対に言わない」
言わないじゃない、言えないが、正解なのじゃが、余計な事は、言わない方がいいじゃろう。
「それで、転生者だから、なんだと言うのですか」
「今後、生活していくうえで、何か野望とかあるのかと思ってな」
「ないです」
「この世界の文明を変えるとか、て、無いと言ったか」
「前世では、あまり、良い生活じゃなかったので……」
「今の生活が、楽しいので、これからは、まったり過ごします」
あの世界は、お母さんと楽しかった時間だけだった。それ以外は、地獄だ。
「そうか、それなら、こんな愚かな事を聞いてすまなった」
儂の聞き方が、悪かった。そこは、反省して、きっかけがあった時に、また話せればいいのじゃが……。
「何がしたかったんですか?」
「それは、今の発言で、無い話題に、なったから安心してくれ」
「今後、どうやって、僕と接します?」
きちんと、今後の事を聞かないと、ここにくる理由も無くなるかな?
「普通に、フルグルのお婆さんとして、過ごすし、魔法を知りたければ、教えていくぞ」
「それに、フルグルの闇は、大きい事が、分かったから……、今後、一切話題に出さない事を誓うぞ」
闇とか簡単に、片付けられたけど、それ以上は、いいや何か疲れた。
「お婆様、解りました」
「それで、これから何します?」
「カメッリアを普通に、戻して、何か楽しい事でもするかのう」
「パチ」と指で、音を鳴らすと、いつものお姉様に、戻っている。
「うーん、何か良く寝てた気がしたけど、立って寝てたて事無いよね」
いつもの優しいお姉様に、戻っている。
「お姉様、おはようございます」
「立って眠ってましたけど、お疲れですか?」
「本当に、眠ってたの!」
私もついに、立ったまま寝ると言う技術を手に入れてしまったのか、これって、何に使うだろう。
「お婆様、ごめんなさい」
「違うぞ、儂が、凄く難しい話をし始めたから、子守歌に、聞えて、眠ってしまっただけじゃろう」
フルグルもそうだけど、難しい話は、どうも苦手だ。
「なるほど、私の頭でも限界がきたから、眠ってしまったて、事だったんですね」
「カメッリアお姉様が、寝てたのは、二十秒くらいですよ?」
「なら、そんなに、寝てないのね」
「はい」
「カメッリアよ、試験は、上出来だったと聞いているぞ」
「はい、写真の為、死ぬ気で頑張りました」
また、お姉様は、余計な事を言っている。ここは、なんとか回避しとかないと後々面倒だ。
「写真?」
「お婆様、時代です」
「おぉぉ、そうか、時代か、中々難しい言葉じゃな」
さっきの件もあったから、変な所で、聞いてこないぞ。
「結果じゃが、後三カ月で、結果が来るのじゃろう」
「はい、凄く楽しみです」
「そうか、楽しみか」
「そう言えば、おやつにと、パイを焼いとったが……」
「勿論、食べます」
「お婆様のパイは、大好きです」
「そうか、そうか、食べようか、それなら食卓に、行こうかのう」
「フルグルも食べれるように、果物を煮たのがあるから、それを食べるといい」
「それは、楽しみです」
こうして、皆で、おやつを食べに、食卓へと向かうのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます