第8話

「くそっ!」


男がライフルを撃った。


弾は近くにいた女の剥製に当たったが、女がその動きを止めることはなかった。


男はもう一度撃ち、それも女に当ったがやはり女は止まらなかった。


男は逃げようとした。


弾がつきたのだ。


しかしすでに女たちに取り囲まれていた。


「うわあっ!」


男はライフルを振り回した。


何人かの女にそれが当ったが、どの女も動きを止めなかった。


やがて男は十数人の女に完全に囲まれてしまい、身動きがとれなくなった。


すると外側にいた女の一人が集団を離れ、ベッドのほうへと歩いていった。


そして大きなはさみを手にすると集団に戻り、前にいた女にそのはさみを渡した。


受け取った女がはさみを男の首にあてがうと、手で持つ部分を四人がかりで押した。


俺は思わず目をそらした。


何か音がした。


ゆっくり視線を戻すと、男の首が床に転がっていた。


女の一人がそれを拾い上げ、笑い出した。


すると残りの女も笑い始めた。


十数人の耳に痛い女の笑い声。


もう限界だった。


俺は小屋から飛び出した。

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