第150話 セルフヘアカット2
小学生時代の夏休み、思い立って自分で髪の毛を切った私はそろばん教室で会った友人たちに、切り具合のまずいことを指摘されました。
たしかに、おさげ髪をひっぱりながらジョキジョキポイッとしただけでは、いろんな不具合が予想されるというものですが・・・
見かねた友人のひとりが言いました。彼女の名前を仮にトモミちゃんとしておきましょう。
「ゆうちゃん、うちで直してあげるからおいでよ。」
「うん・・・」
言われるままにトモミちゃんの家へ向かいました。もともとトモミちゃんの家にはよく遊びに行っていました。
トモミちゃんの部屋で、たぶん床に新聞紙とかを敷いて、トモミちゃんと、一緒にいたカオリちゃん(仮名)に髪を切ってもらいました。
二人とも頑張って切ってくれました。
「だいぶ良くなったね。良かった、良かった。」
とかやっていると、トモミちゃんのお母さんが現れてビックリしていました。
事情を話すと、わかってくれましたが、
「そうなんだ。ゆうちゃん、自分で切ったのね?それをトモミとカオリちゃんが直してたんだ。でもねぇ~・・・」
二人の腕前は大人からすれば未熟だったらしく、なんと、トモミちゃんのお母さんも参戦!トモミちゃんのお母さんにも髪を切ってもらいました。
そしてまた、良かった、良かった、と家に帰ると、今度は母が驚き・・・
「そうだったの。まずゆうちゃんが自分で切って、その後トモミちゃんとカオリちゃんとトモミちゃんのお母さんが直してくれたのね・・・でもねぇ~・・・」
と私の母も参戦!また私は髪を切ってもらいました。
その上で、「でも床屋さんに行った方がいいわねぇ・・・」と・・・
最後は床屋さんで切ってもらいましたとさ。(美容院ではないのです!)
「そうなんだ、まず自分で切って・・・それからお友達と、お友達のお母さんと、ゆうちゃんのお母さんも切ったのね。みんな、頑張ったのね。お母さんもね、うん、上手なんだけどね・・・」
と床屋さんのおばさんは苦笑いでした。
自分で衝動的に切ってしまった髪。その後、もうちょっとなんとかしよう!と奮戦する周囲の人々・・・(笑)
我ながら変な子供でしたが、まわりは温かい環境でした。自分としては、ちょっといい話的な、心温まる思い出なのでした。
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