第143話 エロリストの神原さん!11 ~ハーレム王の気分・・・?~

ご無沙汰しています・・・こちらのエッセイ、だいぶ間が空いてしまいました・・・


ちょっと唐突ですけれど、私は器が好きです。


“焼き物のうつわ”が好きで、ブランド品や洋食器ではなく、作家さんや工房の方達がせっせと手作りして、絵を描いたり、独特の色や風合いを出していたり、魂と情熱が込められていると感じられるものが好きなのです。


なので、手作りの品や、伝統工芸品などは大好きです。そういうお店に行くと、つい時間を忘れて根っこが生えたみたいに見入って過ごしてしまいます。手作業で丹精こめて作られた自然のもの、本物は、見た目にも美しいものばかりだと感じます。


ちょっとこうるさい事を言えば、デパートやチェーンの雑貨屋さん等で売られている、入手しやすいものよりも、地方でひっそりと、知る人ぞ知る的に、マイナーに活動されているような窯元のものが好きだったりします。北海道にも無数に、ひっそりとした素晴らしい窯元さんがいらっしゃいます。(全国でも、そうでしょうが・・・)


美しく、眺めるだけでエネルギーをもらえて、好きだなぁ・・・♡と良い気持ちになれる品が好きです。


そして先日、GWに催されたハンドメイド作品の市へ出向いたわけですが・・・


ああ、垂涎すいえんの世界ですよね・・・あのお店に行けば買える、というわけではなく、イベントを中心に活動されている作家さんも多いですし、たぶん、生計を立てていくには難しい世界だと思います。おそらく副業的に活動されている方も多いかもしれません。


それで、やっぱり私好みの作品もいろいろ見つけて・・・以前別のマーケットでお会いした作家さんの器や、今回初めて購入する地元の作家さんのカップ等を購入しました。


モノを増やしたくはないのですが・・・特に食器は場所を取るので、欲しいだけ買うというわけにはいきません。なるべく増やさないようにしなくてはならないのに・・・


カップは既に沢山あるし、お気に入りのものばかりなので、もう増やさなくても、と思うのに・・・


ですが、一期一会のチャンスにタイプの子(うつわ)と出会ってしまうと、さぁ!我が家へ!とさらってしまいたくなります。


家には、他の子たちもいるのに・・・みんなお気に入りの、可愛い人達(うつわ達)だというのに・・・


と少し葛藤しながら、もしや、ハーレムの王とはこんな気持ちなんじゃ・・・?とか思ったのです。


普段使いの子も、カフェオレ専用の可愛い子も、スープ専用の上品な子も、みんな素敵でみんな好き♡ でも、新しい子も魅力的・・・♡♡


そして新しい子がやってくると、ハーレムの王(わたし)は色めき立ちます。


あの子・・・あの水色の新しい子・・・


いつ、ヤろうか・・・はやく、ヤりたい・・・(使いたい、という欲望・・・?)


でも、もうしばらく、眺めるだけにしようか・・・ヤりたいけれど、初めての子をすぐに手折るようなことはせず、しばらくは無垢な時間も楽しんでみようか・・・


そんな事を考えていると、きっと新しい子もいつXデーとなるのか、気が気でないかもしれません。そして、先にいる子達は、“また新入りが来たわ・・・”とか、”今日は私を使ってくれないの?”などとヤキモキしているかもしれませんよね・・・?


王である私は、実のところ水色のマグカップの子との出会いに心をときめかせていて、この子にはどんな液体を注いだものかと考えあぐねていました。


どことなく異国的なターコイズブルーの美少女の、内面はそれはそれは白く・・・何色の液体がこの子に似合うのだろうかと思いを馳せます。


濃すぎない色の紅茶だろうか・・・あるいは、チャイか、ほうじ茶オレか・・・コーヒーでもおかしくないけれど、コーヒーは他の子の方がいいような気がする・・・


でもいずれはコーヒーも味わってみたい・・・♡

(いろんなプレイをしてみたい・・・的な?)


さてさて・・・もうしばらく、ヤりたいけどヤらずに眺めるだけにしようか・・・


いや、もうガマンできない!!と王は水色のマグへ手を伸ばし・・・


お持ち帰りされた翌日、ほうじ茶オレによってターコイズの乙女は処女を喪いました・・・性急な王よ・・・


ああ、続けざまに2回も・・・

(おかわりして2杯飲んだということですが・・・)


ほうじ茶オレを注がれた彼女は、それもまた美しく・・・


王は何度も何度も彼女に口づけを繰り返しました。

(飲むときに口をつけますからね・・・)


まあ、器は使われてこそ生きるのですよね。

器に限らずかもしれませんが・・・


うつわ好きのマニアックな妄想がとめどなく繰り広げられたある日のティータイムでした。

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