第52話 美しい、魂の方

時に、このカクヨムの中で、切ない気持ちになるんです。


すごいな・・・っていう作品をお見かけして。


すごいというのは、むしろ、痛いというか。


辛かった、苦しんだ、痛ましい経験だったり。


それを書くのも、しんどかったに違いないと思えるのですが。


でも作家の魂を持つ人というのは、書かずにいられないことも理解できます。


どんな経験であろうとそれを書きたいと思ってしまう、ある種の性質を持ち合わせているのではないでしょうか。


苦しかっただろうな、でも、向き合って来たのだろうな・・・と思える方が、別の作品ではとても明るくて、ユーモアあふれ、愛情深いさまを垣間見ると、深く感動します。


凛としていて・・・強く、美しいなと・・・


一方で、自分があまりにつたなく、幼く、小賢こざかしいように思えてきてしまう・・・


才能あふれる方の多いこのカクヨムの中で、時に本気で嫉妬しています。


その研ぎ澄まされた感性に、文才に、人生にすら・・・


はげしく嫉妬すると同時に、純粋な憧れの気持ちに心が満たされ、かなわぬ恋心のような切なさにさいなまれます。


太刀打ちできないという圧倒的な敗北感・・・

傷ついてきた人ほど、魂が磨かれるのだと改めて実感します。


文字だけの別世界で、その方と会うのは叶わないのでしょうが、リアル世界のその方はどんな人なんだろう・・・と思いをめぐらせます。


ここが文字だけの世界だから、私は自分も、他の方のことも、魂の状態に近いなぁとイメージするわけですが・・・


肉体は、容姿は見えないのに、美しい。


書く文章が、感性が、ふるまいが、美しい。


心ふるわすような方。


姿は見えなくても、美しい人・・・


そんな方をお見かけすると、自分の魂が喜んでいるのを感じます。

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