終話時間のズレが生じていたようです。

今日で丸々一ヶ月がたっていた。


夕飯後、三人で

他愛もない話をしていた。


しかし、時計の針が

十二時を指した時、

僕の体は淡く光始めた。


『【元の世界】に帰る時が来たな』


未来の僕はちょっと

寂しそうな表情かおをして呟いた。


『【元の世界】に戻ったら

高校生の俺に想いを伝えてみるといいよ』


大人の寛がニヤリと笑った。


*★*――――*★**★*――――*★*


再び、目を覚ますと

そこは病院のベッドの上だった。


ということは、精神だけが

未来に飛ばされたということになる。


そして、ベッドの横にある

カレンダーを見て、思わず目を見開いた。


なんと、【未来】では一ヶ月だったのが

【元の世界】では

三日しか経っていなかった。


時間のズレが生じている理由を

いくら考えてもわからなかった。


*★*――――*★**★*――――*★*


数時間後、病室の扉が開いて

入って来たのは、父さんと母さん。


それから、“高校生の寛”だった。


「典嗣‼


目が覚めたのね」


母さんが抱き締めてくれた。


「うん、さっき……」


目の前にいる三人に

僕が意識不明になっていた

三日間の話をしても

信じてくれないだろう。


「先生を呼んで来るから待ってなさい」


ナースコールを押せばいいのに

余程、慌てているらしい(笑)


早足で病室を出て行く

後ろ姿に僕は小さく笑った。


その後、色々検査されたけど

何処にも異常は見つからなかった。


だけど、僕はあの事を

一生忘れないと思う。

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