p45 - 空と花とヒストリエ


空を愛したヒストリエ

自分が鳥だと思い込んだ

つぎはぎだらけの翼を広げ

青い世界に飛び込んだ


飛び方を知らないヒストリエ

風に弾かれ飛ばされて

気力だけで飛ぼうとした

月と星が見守る中で


大地に座るヒストリエ

手には種とジョウロが一つ

翼の代わりに手に入れた

空はひたすら青かった


花を守るはヒストリエ

空はどんどん高くなる

空を求めるヒストリエ

間に挟まれ崩れ去る


全てをなくしたヒストリエ

翼もジョウロもないけれど

足があると今気付いた

どこにでも行けると今知った

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