ほろほろ

この地に足を着けて

確かにここに存在しているのだと

頭ではそう思っていても


ふわふわとしておぼつかない感覚


この感覚はそう、昔見た夢の中


来たことのあるような無いような


知っているような知らないような


セピア色のヴェールの降りた世界にひとり


地面を感じずに歩いている


私が私であるかもぼんやりしている


そんな中感じるノスタルジー


焦り、不安、心許なさ、空中落下


手を伸ばすと指先からほろほろと

崩れて消えていくような


存在の不安定感


私はここに存在していて


この人間関係の中に含まれているのだ


なんて

昔見た夢ほどにも頼りなく

遠くにかすかに私を振り返っている

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