第37話 大成、四人の先生と話をする
「「「失礼しまーす」」」
俺たち三人が職員室へ入って蘭先生のところへ行ったら、そこには
「蘭せんせー、生徒会室の鍵を持ってきましたー」
「あら?珍しいわね。今日は早仕舞いなの?」
「はい、そうですよ。今日くらいはノンビリしようっていう事になって」
「・・・
「「「・・・・・ (・_・;) 」」」
「ま、今日の出来事が予想出来てたから
そう言うと蘭先生はニコッとして鬼鹿先生の方を向いた。
「あれー、鬼鹿先生、
そう言ってもう一人の男性教師がニヤニヤしながら話に割り込んできた。この先生の名前は
「鬼峠先生、今回は例外ですよ!いっつもいっつも東室先生の頼み事を聞いてたらオレだって困りますよ」
「本当ですかあ?」
「そういう鬼峠先生こそ、いっつもいっつも東室先生にお願い事ばかりしてませんかあ?風紀委員会副顧問としての力量が問われますよお?」
「鬼鹿先生こそ先輩なのに結構だらしないですよ」
「まあまあ、鬼峠先生も鬼鹿先生もそのくらいにしてください。
「あー、そう言えば野花先生の前でしたね、失礼しましたー」
「オレもちょっと大人気なかったな。すみません」
「あー、いやー、わたしも逆にこういう時になんて言っていいのか分からないからー、同じ大学の大先輩にあたる先生方から頭を下げられると逆に恐縮しちゃいますよー」
「野花先生、生徒の前ですから語尾は伸ばさない方がいいですよ」
「あ、そうでしたね。東室先生、失礼しました」
「まあ、そのうち慣れますよ」
「はあ、気をつけます・・・ m(__)m 」
そう、もう一人の女性教師は2年3組の担任で
「あのー、蘭先生。鬼鹿先生に頼んだって、どういう意味なんですか?」
青葉が意味不明といった顔をして蘭先生に話し掛けたけど、蘭先生は答えず、代わって鬼鹿先生が話し出した。
「串内、
「そうだったんですか・・・ありがとうございます」
そう言うと青葉は鬼鹿先生に頭を下げた。同時に俺も美利河さんも頭を下げた。
「ただなあ、美留和本人が言ってたけど、会長が『私に任せないさい』的な発言をしてたって本当か?だとしたら生徒会が尻ぬぐいを引き受けたに等しいぞ。もしこれで美留和が望んだ結果にならなかった場合、会長はどうするつもりなんだ?」
「その話はオレも鬼鹿先生から聞いたぞ。まさかとは思うが
二人の男性教師、まあ、いわゆる『鬼鬼コンビ』が揃って青葉に険しい表情をして逆質問してきたけど、青葉は澄ました顔で
「あー、その件ですね。とりあえず今日の呼び掛けで剣道部に女子部員が集まれば万々歳ですけど、もし集まらなかったとしても先輩を納得させる方策があるから心配しないで下さい」
「串内さん、それは本当ですか?生徒会顧問としても少々心配事だったのですが、本当に会長一任で大丈夫なんですか?」
「大丈夫です、任せて下さい。あー、でも、鬼鹿先生や蘭先生にちょっと手伝って貰うかもしれませんけど、先生方を頼るような事はしませんので大丈夫ですよ」
「それなら会長に任せるぞ。オレも当面は顧問として推移を見守る事にする」
「任せて下さい!」
青葉は最後まで自信満々の態度を崩さなかったけど、俺は何を根拠にして青葉が自信満々なのか分からない。先生方だけでなく恵比島先輩や広内金先輩も青葉が自信満々でいる理由が分からないのだからなあ。
「あのー、そう言えば南先生、あ、失礼しました、野花先生。鬼峠先生や鬼鹿先生と同じ大学の出身だったんですか?」
「
「そうですか、じゃあ遠慮なく言わせてもらいますよ」
「はい、構いませんよ。それとさっきの質問の返答ですけど、鬼鹿先生は大学の11年、鬼峠先生は8年先輩にあたる人なんですよ。それに東室先生は同じ高校の9年先輩・・・」
「野花先生!」
「あーっ!すみません、年齢の事は・・・」
「勘弁してくださいよ。わたしが一番気にしてる事なんですから」
「ホントにすみませんでした」
「まあ、生徒の大半が知ってるから今更とやかく言っても仕方ないですけどね」
そう言うと蘭先生は「はー・・・」とため息をついた。鬼峠先生と鬼鹿先生の二人は「やれやれ」といった表情をしている。
そう、蘭先生は未だに独身だから自分の年齢を極端に気にしているのだ。そして、何故鬼峠先生と鬼鹿先生が蘭先生と親しく話をしているのか、その理由も簡単、二人共独身なのだから。しかも二人とも蘭先生を狙っているというのは校内の2年生、3年生で知らない生徒はいない。
蘭先生は結構美形で、それでいて茶道部の顧問だから女子からは『
当然だが、鬼鹿先生は蘭先生を狙うライバルともいうべき後輩の鬼峠先生が同じ2年生なのは気に食わないはずだ。でも、一昨年は鬼鹿先生と蘭先生は隣り合わせの3年6組と7組の担任、去年は蘭先生と鬼峠先生が隣り合わせの1年3組と4組の担任だったのだから、そこで二人とも落とせなかったのだからダラシナイの一言だ。まあ、正しくはお互いに足の引っ張り合いをしているから蘭先生が気付かないのだが・・・。
蘭先生も、中学の先輩である
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます