もうバナナしか見えない

すらっとした黄色い皮は輝いて見え、

緩やかなカーブは優しく撫で続けたくなる。


時折見せる熟れた黒い斑点は妖艶な魅力を醸し出し、

ひと皮剥くとそこには白く美しい体が表れる。


面倒を見なくても優しく甘くいてくれる君は母性の塊で、

何も与えられない僕に一途に力を与え続けてくれる。


あんなに何もしなかったのに、

あんなに何もできなかったのに、

どうして一途にいてくれるんだ。

どうしてより甘やかしてくれるんだ。


バナナ、僕はもうお前の事しか見えない。

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