【夏休み子ども電話相談室】パンパシ水泳とは

Q.パンパシ水泳のパンパシって何ですか。


A.速さではなく、発生する水の音の大きさを競う水泳のこと。当然名前の由来はパンパンパシパシする水泳だから。


昔は音量測定機を選手に近づけるたびに水がかかり、故障して測定できない事態が多発。赤字も膨らみ、競技の存続自体も危ぶまれたが、技術進歩により防水加工の音量測定機が登場。聞こえる水の音が涼しげだという評判がSNSで話題になり、ついに地上波で放送されるほど大きな大会となった。


バタフライ・背泳ぎ・平泳ぎ・クロール・自由形の5種目があり、制限時間内であればどれだけ遅く泳いでも良いが床に足がついた時点で失格となる。また、自由形以外の種目については規定のフォームを大きく逸脱した時点で失格となる。逆に自由形は足さえつかなければどんな泳ぎでも認められる。また、息つぎ程度の声はセーフだが、故意に大声を出した場合は失格となる。


飛び込み時の音はカウントせず、5mラインを過ぎたところから、20mラインを超えるまでの音の大きさを競う。

競技開始当初は飛び込み時からゴールまでの計測だったが、飛び込みで大きな音を出そうとして腹から飛び込む選手が続出。泳ぎ終わって地上に上がると皮膚が赤くなって痛々しいだけでなく、あまりの痛さに大声を出したり、泳ぐのを諦める選手が続出したため、ルール改定が行われた。

また、ゴール時も、タッチの際に大きな音を出そうとして思いっきりタッチして骨折した選手が出たため、ルール改定となった。


パンパシ水泳にはデイビット=スイマールという伝説の選手がいる。彼は自由形で面白い泳ぎ方をし、観客を爆笑の渦に巻き込んだ。この爆笑の音量で優勝をしたため、パンパシ水泳協会内では肯定派と否定派で分裂。結果的に、現在は観客の声が入らないよう会場の工夫をすることとなった。その代わり、観客の声を含めた会場全体の音の大きさを競うエキシビジョンマッチ(自由形のみ)が開催されることになった。道具の使用は一切禁止だが、観客も声の内容は自由であるため、人気や笑いなど、選手は様々な手段を投じて優勝を目指している。

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