【一万PV感謝!】PK職っていいものですよ?

aaa168(スリーエー)

EFOの世界と、初めてのPK

初めてのEFOと、キャラメイキング

『Eternal Free Online』略名『EFO』。


 西暦2038年。


 VRMMOが出続けている中、初めて完璧な仮想空間を作り出し、VRMMO界では大騒ぎ……となっているらしいゲームの名称である。


 らしい、というのはこれは妹情報だからなわけで。


「お兄ちゃん!今日だよ今日!『EFO』サービス開始!」


「はは、分かってる分かってる。仕事終わってからやるって。」


「ほんと?まあそう言うならいいんだけど……絶対お兄ちゃんハマると思うから!」


「はいはい。分かったから立花は早く食べなさい。」


 立花というのは俺の妹の名前であり、自称ヘビーゲーマーらしい。

 今回『EFO』を勧めてきたのも立花であり、『EFO』を買わせてきたのも立花だ。


 2つ合わせて20万ほど。昔は試作品が100万程していたが、かなり安めになったらしい。これでも高いと思うがね。


 まあ趣味もないしやってみるのも悪くないと思い、購入に至った訳だ。利用されてる感もするが気にしないぞ!


「お兄ちゃん昔はあんなMMOしてたし、多分すぐ慣れるとおもうよ!それじゃ私はギルメンに明日の予定について話してくる!」


 そう立花は言うと、自分の部屋に戻っていく。まったく忙しい。


 さて、家事が終わったら仕事だ。


 ―――――――――


 仕事も終わり、辺りは暗くなっている。


 立花は……多分ゲームに没頭してるな。


 夕食を作っておいてと。


 ……まだパソコンでゲームしていた時代は、俺も立花と同じだったかな、はは。


 下らないことを考えながら、VRを起動するためのヘッドギアを装着する。


「えっと……こうか?」


 装着した後、ソファーに寝転がる。


「起動……っと」


 不思議な感覚が、俺を支配していく。

まるで頭の中に何かが入り込んでくるような……


 ――――――――


 気づいたら、目の前に女の人が立っていた。


「貴方の名前を決めてください」


 女の人はそう機械的な声を発すると同時に、キーボードは目の前に出てきた。


 ……名前、考えてなかったよ。


 †キリト†か?‡KURAUDO‡か?いや卍卍神卍卍とかも……


 あーだめだ!普通の名前にしよう。


 Xx漆黒xX


 よし!我ながら完璧で格好いい名前だ。


「エックスエックス漆黒エックスエックス様……でよろしいですね。チュートリアルはなさいますか?」


 長い!


 女の人がそう言うと、YESとNOの選択肢が現れる。


 あとで攻略サイトでもなんでも見ればいいか、NOっと。


 早くゲームの景色が見たい……



 ――――――――


 急に、視界が変わった。


 風景は中世の町並み。


 周りには人がたくさんいて、自分はその中の一人で……


 仮想現実。その言葉通り、感覚はほぼ現実と同じだ。



「これは……本当に凄いな」


 思わず声に出してしまう。


 年柄もなく、心臓の鼓動が早くなるのを感じた。


「EFOの世界の風景はいかがですか?」


 いつのまにか隣にいた、女の人がそう言う。


「ああ、凄いよ。わざわざ見させてくれたのか?ありがとな。」


 AIも進化したもんだ。


「いえ。あなたは、この中の一員となるのです。それでは、『EFO』の貴方の外見とステータスを決めてください。」


 女の人がそう言うと、また視界が真っ暗になり、目の前に俺のそっくりさんが現れた。


 中性的で、これといった特徴のない顔である。


 これを修正しろってことか?そうだな、前髪を長くして……うん、特にない!


 決定、と。


 次は、ステータス画面のようなものが出てくる。


 □□□□□□□□□□□□□


 プレイヤー名:Xx漆黒xX


 職業:冒険者


 レベル1


 HP 1000


 MP 100


 筋力値 10

 知力値 10

 敏捷値 10

 器用値 10

 精神値 10

 体力値 10


 残りステータスポイント:20


 □□□□□□□□□□□□□□□





 これが初期値か。昔とこの辺りは変わってないようだ。


 んじゃ、ステ振りも昔と同じ感じで行こう!


 □□□□□□□□□□□□□


 プレイヤー名:Xx漆黒xX


 職業:冒険者


 レベル1


 HP 1000


 MP 100


 筋力値 10

 知力値 10

 敏捷値 30

 器用値 10

 精神値 10

 体力値 10


 残りステータスポイント:0


 □□□□□□□□□□□□□□□


 敏捷極振り。俺はファーストキャラは大体こうだ。


 まあだめだったらやり直せばいいさ。……ん?


「職業の冒険者ってなんだ?」


 女の人に質問してみる。


「それは初期職の一つで、そのレベルが10になると同時に、それまでの経験に合った職業を選ぶことが出来るようになります。」


 なるほどなー。


「次は、初期のスキルを選んで頂きます」


 そう言うと、目の前に大量のスキル名が現れる。


 まあ適当に取るかね。


 □□□□□□□□□□□□□


 プレイヤー名:Xx漆黒xX


 職業:冒険者 level1


 HP 1000


 MP 100


 筋力値 10

 知力値 10

 敏捷値 30

 器用値 10

 精神値 10

 体力値 10


 skill:


 鑑定level1 弓 level1 小刀 level1

 火魔法level1 投擲 level1 関節技 level1


 □□□□□□□□□□□□□□□


 こんなもんか。火魔法は、VRMMOの魔法がどんなものか見るためだけに取得した。


 関節技はまずスキルが有ることにびっくりしたが、現実で少し経験があるために取得した。


 よし、決定と。


「スキルは、貴方のこれからの経験の中で増え、また成長していきます。それでは、『EFO』の世界をお楽しみください。」


 女の人がそう言うと、またさっきと同じ風景に変わっていく。


 いよいよ、俺の初VRMMOが始まるというわけだ。

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