第3話 建設

ゼウスは自分が人間の女エウリュイアと結ばれなかったのは、天界と現世とが分かれているからだと考えました。そこでゼウスは現世から天界へと繋がる巨大な塔「現世と天界の塔」の建設に着手したのです。人間達に天界へ行ける塔を建設させようとしました。

しかし、困ったことがおきてしまいます。愛の神エロスが幽閉されてしまったことで、この世から愛が失われてしまっていたのです。男は女へ、女は男への興味を失ってしまいました。そして、人間達は生きる気力を失い、当てもなくぼんやりと彷徨っており、神の声も届かなくなっていました。困ったゼウスは人間たちの生きる気力を取り戻すため、2つの土人形を作りました。1つは男型の土人形アンドレ、もう1つは女形の土人形ユーレカである。男型の土人形アンドレは、どんな人間の男より美男子の人形でした。女形の土人形ユーレカは、どんな人間の女より美しい女人形でした。ゼウスはよく働いた男に美しいユーレカを与え、よく働いた女に美男子アンドレを与え、世話をさせました。人間達は美しい土人形を得るため、土人形を守るために懸命に働くようになりました。また、人間達を塔の建設に働かせるため、妖精を送り込み人間達の世話をさせました。人間達はますます塔の建設にのめり込んでいきました。

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