『ヤギと男と男と壁と』 「信じないといけない!」という圧

 アメリカに実在したという超能力部隊を取材する記者の話。


 主人公の記者は、「見るだけでヤギを殺せる超能力軍曹」の話を取材し、半ば呆れ返っていた。


 だが、イラクでたまたま知り合った男性こそ、その超能力軍曹だったのだ!


 超能力部隊は、ベトナム戦争で死にかけた中佐によって結成された。彼はヒッピー同然生活を送りつつ、修行を積みてきた。

 軍曹は中佐に見いだされ、トレーニングを開始。

 

 彼は退役を装いつつ、極秘任務中だという。


 主人公は、彼の任務に巻き込まれ、砂漠に放置されるわ、アルカイダさながらの犯罪者に拉致されるわと散々な目に。



 一応、ノンフィクションという触書がある。


 いかにも本当のことらしく、出来事を追いかけていく。

 ジョージ・クルーニーやユアン・マクレガーなどの一流役者が、トンデモ映画で「本物の超能力部隊の実態!」をもっともらしく熱演する。

 実態はBL級どころかZ級のトンデモ映画なのに。 


 見ている方は、圧が凄い。

「信じないといけない!」という圧に頭が持っていかれる。


 ノンフィクション本『実録・アメリカ超能力部隊』が原作。



『ヤギと男と男と壁と』という邦画のタイトルは、お笑い芸人の千原ジュニア氏が考案したらしい。



 原作は、オレも読んでみた。

 ユリ・ゲラーが必死の形相で取材拒否していたシーンが笑えた。

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