『シャフト』 ニック・フューリーVSバットマン!
ニューヨーク市警察のジョン・シャフト(サミュエル・L・ジャクソン:手塚秀彰)刑事は、黒人の青年殺害事件に立ち会う。
犯人はウォルター・ウェイド・Jr(クリスチャン・ベール:山野井仁)。不動産王の息子だ。
財力にものを言わせ、彼は保釈され、スイスへ逃亡した。
重要参考人のウエイトレスも、行方不明に。
二年後、彼は麻薬取締課と協力して、ヤクを取り押さえようとしたが、空振りに終わる。
シャフトはピープルズというボスにちょっかいをかけ、牢屋へぶち込む。
帰国したウェイドを再逮捕するが、またも保釈されてしまう。
警察機関の限界を感じたシャフトは、バッジと銃を返して退職する。
ウェイドはピープルズと接触。
金をやるからウェイトレスを探せと命じる。
だが、ピープルズは金持ちとヤクでの繋がりを求めた。
ウェイドは激怒。こちらの仕事はしてもらうが、お前らの仕事は手伝わないと罵る。
シャフトはウェイトレス追跡を諦めない。
だが、警察仲間の一部がピープルズと組んで、自分の後をつけていると気づいた。
約束通り、ウェイドは金を作ってきた。
しかし、シャフトによって強奪される。
その金をシャフトはなんと、「悪徳警官の社内へ放り込む」
人づてにピープルズへ電話をかけ、ウェイド襲撃はそいつらのせいだと教えた。
そのスキにピープルズを出し抜き、ウェイトレスを連れ出した。
シャフト刑事のやり方は、けっして正攻法とは言えない。
だが、本作にはそのやり方を誰も咎めない。
シャフトが正義の人だと分かっているからだ。
彼は黒人コミュニティにおいてヒーロー視されている。
「理不尽には、理不尽で立ち向かうしかない」
という象徴的なキャラとして描かれている。
対する悪役も、クズはクズなのだが、人間味がある。
ウェイドが作ってきた金は、母親の形見を売り払って作ってきた。
ピープルズは弟が大事で、彼が銃弾に倒れると復讐の鬼と化す。
悪徳警官にも、家庭の事情がある。
だが、やっていることがゲス過ぎて、同情できない構成にしている。
シャフトが暴れやすい図式になっているのだ。
情け無用の主人公をぶつけるには、「人間的だが凶悪な」キャラ配置を。
サミュエル・L・ジャクソンといえば、マーベルシリーズでのニック・フューリーとして活躍している。
対するクリスチャン・ベールは、いまやバットマンとしての人気を不動のものとしている。
そんな二人が、2000年代には善と悪に別れて対立していたという構図が面白い。
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