『アルティメット』 俺の妹がヤクに負けるはずがない

 レイト(ダヴィッド・ベル:加瀬康之)は、ギャングがさばくはずだったヤクを横取り。台無しにして逃走。

 しかし、妹をギャングのボスにさらわれる。


 レイトは先回りし、ボスに銃を突きつけた!

 ボスを人質にして、妹を取り返す。


 あとはボスを警察に引き渡し、一件落着かに思われた。

 だが、警察はボスとつるんでいた。

 ボスの代わりに、自分が牢屋に入れられる。

 妹も連れ去られた。


 怒りに震えるレイトは、警官の首を絽屋に挟みこんで殺害!


 映画時間で、わずか20分の出来事だ。

 

 

   



 半年後、中性子爆弾が13地区に持ち込まれた。

 タイムリミットは24時間しかない。

 腕利きのダミアン捜査官(シリル・ラファエリ:志村知幸)は、爆弾の発射阻止を命じられる。


 ナビゲートとして、現地の犯罪者レイトと合流する。


 護送車にチンピラとして入り込み、脱獄を手伝う。


 レイトはダミアンを不審がっていたが、「妹が薬漬けにされている」と聞かされ、渋々ながら協力。

 

 爆弾の場所までもうすぐだったが、レイトにデカだとバレてしまう。

 戦い方がスマートすぎると。


 取り引きをして、二人はわざとボスの手下に捕まる。


 2000万ユーロと引き換えに、爆弾は解除するとなった。


 金の振り込みを確認するまで待機させられている間に、二人は脱走した。


 だが、ここから物語は驚きの展開を見せる。



「フルスロットル」というタイトルで、ハリウッド・リメイクされるほどの作品だ。


 

 リュック・ベッソン脚本であるからか、短いながらもテンポが良く、どんでん返しが何度も続く。


 中でも妹がいいキャラクターをしている。


 レイトがボスを拉致するシーンでは、妹がチンピラたちにいやらしい目で見られる。

「下着を食わせろ」

 とからかわれた妹は、なんとおもむろに自分の下着を脱ぎ出す。

 何をするかと思えば、自分を罵ったギャングの口に放り込むのだ。

「よく味わいな!」

 と捨て台詞を吐く。


 さっきまでレジで働いていた少女とは思えない剛毅ぶりである。


 また、彼女は後半で薬漬けにされてしまう。


 だが、自分が爆弾を積んだロケットに繋がれていると知るや、自力でロケットを破壊しようとする。


 ガソリン入りの一斗缶をこかしてフタを開け、持っていたマッチをひたすら擦り続ける。


 捕らわれのヒロインにあるまじき豪胆さである。 


 本作を名作としているのは、彼女のキャラクターにある。


 この映画の魅力は、パルクールアクションだけではない。

 妹という強烈なキャラクターなのである。



 それゆえに、主人公組の二人は意外な事実を知って、対立する。

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