創作に役立たない、「映画の感想」

『劇場版 のんのんびより ばけーしょん』 キャラの成長が著しい

　一方、こちらはNetflixで見られるぞ！

　のんのんのキャラたちが、福引きで沖縄旅行を当てる。

　牛が放し飼いにされていて、途端に親近感が湧く一行。

　れんちょんは、この旅行で「海」「灯台」「イルカ」の三つの絵を描くことを目的にした。

　描いた後は田舎に帰って、故郷に沖縄の体験記を見せるのだという。

　夏美は、民宿で働くあおいという少女と出会った。

　同じ中一なのに、礼儀正しいあおいを、立派に思う夏美。

　夕食後、夏美はバトミントンの練習に励むあおいの姿を見る。

　親に内緒で壁打ちしているのだと聞くと、今度一緒にやろうと約束を交わす。

　ほたるんはカヌーを体験し、ブラと思わせてベルトを新調した。

　れんちょんはダイビングでマンタを見て、灯台を描いた。

　それぞれ、沖縄を満喫する中、もっとも成長したのは夏美である。

　直前に紹介した『劇場版ごちうさ』は、特に新規ドラマがない。

　終始箱庭型で進み、人間模様が完成されていて、コントだけで話が勧められる舞台にしたからだろう。

　どちらかというと、既存キャラの掘り下げ・補完に力を入れていた。

　対して、『のんのん』は、新天地沖縄という舞台装置を用意することで、新たな人間模様を描いていた。

　同じような「田舎」の印象を持たせつつ、まったく違う環境なのだと短い映像作品の中に印象づけた。

「きれいな夏美」を描くことで、普段とは違う雰囲気をかもしつつも、「いつもの『のんのん』らしさを残したまま」、作品は続いていく。

　このバランス感覚が見事だ。