失ってから気づいたんだって

失ってから気づいたんだって


こんなにも愛していることを


失ってから気づいたんだって


あんなにも愛されていたことを


家の中のあちこちに

その痕跡こんせきはあって

ただ気づかずに

それを当たり前だと思って

日々を過ごしていたんだって


失ってから

それが突然目に入るようになって

自分のことをいかに考えてくれていたのか

痛いほどわかるんだって


どうして

そばにいるうちに気づかなかったのか


どうして

あなたの優しさに気づけなかったのか


顔をぐしゃぐしゃにして

繰り返す君が切なくて

でも

何も言ってあげられなくて


だって

たいして好きじゃないって

言ってたじゃない

なんで一緒にいるのかわからないって

言ってたじゃない


気づけないことが

こんなに辛いことだなんて

知らなかったよ


そして

気づいてしまったことが

こんなに辛いことだってことも


悲しいな

やり直すことも

もう叶わないのに

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