第8話 まだ諦めきれない俺。

 この話には実は「後日譚」がある。


その後、おばさんは相手のうさぎちゃんにも平謝りして、それから、彼女のサービスを購入したらしかった。


おばさんは年中「体調が悪くて」とぼやいてるから、健康について相談したらしい。どこが悪いのかわからないが、とにかく体調がいつも優れないんだ、と。


 俺にしてみたら、夜遊びしすぎなんじゃねーの。生活乱れすぎなんじゃねーの。


で、その中でうさぎちゃんがちらっと言ったらしい。なんかうさぎちゃんには、いろいろすごいトラウマ体験があるんだ、と。


 はっきりは言わなかったが、結構、苦労した人みたいな……そういうようなニュアンスのことを、おばさんは言った。



 へーえ……。


おばさんはそれ以上は何も言わなかった。なんで、俺にいちいち言うんだろう。


そんな人に「えろちゃっと」持ちかけたこと、反省しろって意味?


 でも、俺は腑に落ちた気がした。


あんな目で見つめられたら、男は我慢できない……


俺は、実際にうさぎちゃんに会ったわけじゃないから、よかったな、とふと思った。……俺も自信ない。


俺って、滅多にそんな……っていうか、そういうふうな経験はまるっきりないが……


我慢するの無理、と感じた。不思議な引力というか……



「本当にいいんですか」

「本当にいいんなら、いいんですけど……」


うさぎちゃんの声が響いた。


 俺を誘ってる?


いや、そんな訳ないだろう。


 



 多分……わかってないんだ。俺は本気だってこと。


無茶苦茶にしたくなる……お願いやめて、って、言わせたくなる……


やめて、って言ってても……もっとお願い、やめないで…って、結局そう言わせる……


 俺の自信がどこからくるのかは知らないが、実は俺、きっとそういう才能ある自信があった。


それって不思議なんだけど、男が本気出せばそういうものなんだよな。


だから、まあ……


当たり前だけど、誰でもいいわけなんてない。俺なしの人生なんて考えられないくらいに、めちゃめちゃに感じさせたい。俺なしじゃ生きられないくらい、それくらいに全身全霊で。




 それと……ちゃっかりと「専用ルーム開けましょうか」と言った女のギャップ。


本気の俺と、金のためなら、と思う女。



もしかして、そこまでして稼がなきゃいけない何かがあるのか?

もしかして、女手一人で、看護婦やりながら、赤ちゃん二人、子育てしてるとか?


うさぎちゃん……本当は、金が要るんだろ?看護婦だけじゃ、足りないんだろ?



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