第11話

「そうなの……?」


「今は、母と二人暮しをしています。」


「そっか」


「僕も所も父親がいないんだ。

 母親も、そのせいで仕事に出ていてほとんど家にいない」


「一緒ですね」


 彼女との距離が少し短くなった気がした。


「そうだね。

 だから、瞳とほとんどふたりで暮らしているようなものかな……

 今では、家のことのほとんどは瞳がひとりでやってくれているよ」


「そうなんですか?」


「一応、義姉だしね……」


 瞳が、自分の話をされていることに気づいたのかこちらを睨んでいる。


「その辺では、一応感謝してるかな」


「恩返ししないといけませんね」


「そうだね……」


 瞳は、まだこちらを睨んでいる。

 あぁ、今晩辺り何かを言われるなー

 少し家に帰るのが憂鬱になってきた。

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