小瓶のあなた

あなたを小瓶こびんに入れたら

日毎ひごとに弱ってきて

どうしたらいいのかと悩んでいる


小さく握ったおにぎりを

ピンセットで挟んで

顔の前で振ってみるけど

反応しない


水の入った小さなお皿も

毎日取り替えてみるけど

飲んでいるのかわからない


なんだかつまらなくなって

捨てようと思い立ち

庭に出て小瓶を逆さに振り回す


すべちたあなたは

うつぶせのまま

力なくうごめいている


黒いなにかが私の前を通りすぎ

あなたは突然いなくなった


軒先のきさき

くちばしに挟まれて

ぐったりしているあなたを見つけた


さようなら

もう私にはどうすることもできないわ


私のごはんを食べて

私になついてくれれば

こんなことにはならなかったのにね



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