コーヒーを飲まなかった

コーヒーを

あなたのために淹れたのに

一口も口をつけずに

帰ろうとするなんて


こんなはずじゃなかったのに


こんな風になるなんて

予定とは違うけど


ケンカして

バランスを崩して

転んで動かなくなった

あなたを見下ろして

結果として同じになったから

まあいいかと

慌てた振りをして救急車を呼んで

その間にコーヒーカップを念入りに洗う


「帰り際に振り向いたときに倒れて、ドアに頭をぶつけて意識を失ったんです…」




煙になったあなたは

今何を思ってる?


汗でへばりつく喪服が

あなたのように鬱陶うっとうしくて嫌になる


さようなら

永遠に


私を縛り付けた罰だよ

自由を奪って暴力をふるった罰だ

神があなたに罰を与えた


コーヒーを飲んでくれたら

私もコーヒーを飲んで

一緒に罰を受けるつもりだったけど

私はゆるされた

やっぱり悪いのはあなただった


これからは前を向いて

明るく生きていく


私が幸せになるために

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