第38話 現実の記憶なんて、邪魔だからだ

「でもなんで記憶まで」

「現実の記憶なんて、邪魔だからだ」

 ましらは俯く。

 不可解はあるが理屈もわからなくない。

「帰れる、よな」

猿は黙ってしまった。それが答えだ。

「どうしてこんな……許されるのか」

「許す許さないじゃない、人類の未来に必要な犠牲さ」

「ぎせい……」

お金に目がくらんだ、罰なのか。

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